「10頭分、めっちゃ来たの! 冷凍庫がシャトーブリアンだらけ!」毎日宮崎牛の巨人・戸郷がスタミナ自慢113球で3勝目
◆JERA セ・リーグ ヤクルト1―2巨人(10日・神宮) 巨人がヤクルトを下し、3連勝で貯金3とした。先発の戸郷翔征投手(24)は、強力打線を相手に7回1安打無失点の快投で3勝目を挙げた。 【動画】菅野智之&戸郷翔征がジャイアンツ球場でキャッチボール * * * 大きな観客の声が響き渡る神宮で、戸郷は右腕にグッと力を込め投げ込んだ。バットが空を切るとフッと息を吐いた。1―0の6回。2死から4番・村上に最速151キロの直球を投げ込みながらも四球を与えた。それでも続くサンタナを149キロ直球で空振り三振に仕留めた。7回113球を投げ、1安打無失点5Kの力投。3勝目を挙げ「1安打に抑えられたことがすごいよかったですし、(調子が)戻ってきたかな」とにっこりと笑った。 指揮官の言葉に心が楽になった。2回に2死から2者連続四球を与えるなど突如制球が乱れた。ベンチに戻ると、阿部監督がすぐ横に座った。肩を組まれ、「イライラするな」と諭された。「100%を求めすぎるな、良い球がいってるときはいいけど、悪い球がいってるときにすぐ切り替えられるように、と言われました」。監督の言葉に「いいポイントというかそこでいけたなと思う」と気持ちを切り替え、その後はわずか1安打のみに封じた。 前回ヤクルト戦3連戦でチームはオスナ、村上、サンタナに計14安打、10打点を許して17失点で3タテを食らった。「あの3人を抑えないとつながるので意識したい」と最大限に警戒した。そのクリーンアップを計8打数無安打3K、1四球とほぼ完璧に抑え、「いいところで良いボールが出せたのが一番かな」と汗を拭った。 今季最多の113球を投げたが、終盤になっても球速は落ちなかった。秘訣(ひけつ)は食生活だ。本来は釣りが趣味で、開幕戦の朝は自分で焼いたタイで景気をつけた。「グリルでサバとかも焼いて食べたりする」と言うが、ここ最近は「実はほぼ毎日、肉を食べてるね」と明かした。地元の宮崎・都城市から市民栄誉賞の副賞として贈られた、都城産宮崎牛シャトーブリアンがスタミナ源。シーズン開幕頃に一気に届いたという。「10頭分、めっちゃ来たの! 冷凍庫がシャトーブリアンだらけ! いろんな人にも送ってるけど食べきらんぐらいある(笑い)」とうれしい悲鳴を上げた。自ら調理してしっかりと肉を食べ、マウンドで戦う体力やエネルギーを養っている。 2発の援護をバックに力投し、「バッターに助けられてばかりなので恩返しができてよかったです」とお立ち台で目尻を下げた背番号20。若きエースがチームに力をもたらした。(水上 智恵)
報知新聞社