なぜW杯敗退の検証を行う前に次期監督が決まるのか?
「攻撃サッカーの継続」などという曖昧な方向性も、次期監督選びの後付けの理由にしか聞こえてこない。もうアギーレ監督の就任が確実の状況になって、今さらかもしれないが、W杯の検証及び、次期監督選考の過程において、日本人監督の名前が出てこないことも問題ではないだろうか。 ■オシム氏「日本人の代表監督は日本人であるべき」 元日本代表監督のイビチャ・オシム氏は、近著「信じよ」(KADOKAWA刊)の中で「JFAは、日本の将来のサッカー界や将来のトレンドを予測して、それに基づき新しい監督を探すべき。ブラジルの後にどういうチーム像を描き、どういうコンセプトを考え、監督に何を求めるか」と、監督選びのコンセプトに関する持論を展開した上で、「日本人の代表監督は日本人であるべき。日本人のメンタリティを一番理解しているのは、日本人であり選手もまた日本人指導者の言うことを理解する」と書いている。 ■城彰二氏「なぜ日本人監督を選ばないのか」 代表としてファルカン、トルシエという外国人監督と、加茂周、岡田武史という日本人監督の両方を体験している城さんも「なぜ日本人監督を選ばないのか」と疑問を呈する。「代表合宿は、ほとんど時間がない。そこで外国人だと細かいニュアンスなどが、なかなか伝わらずコミュニケーション面で問題がある。私はなぜ日本人監督を候補に選ばないのか、が不思議だ。今回の大会で、上位に残ったチームは、まず守備を固めてからのカウンター、切り替えのスピードというものが目立った。格上と戦うための戦術を南アフリカ大会で採用した岡田さんの名前が再び出てきてもおかしくなかったと思う。そのあたりの議論も足りていないと感じている」。 原専務理事は、次期監督の条件として「日本代表に興味があり、ワールドカップ、欧州チャンピオンズリーグ、リベルタドーレス杯など、代表監督でもクラブレベルで経験豊富な人。日本のサッカーをさらに高みに持っていける人」としていた。こういう条件になると日本人は、ワールドカップ経験のある岡田元監督を除けば、次期監督候補からは排除されてしまうことになる。