イスラエル・ネタニヤフ首相がガラント国防相を解任、意見の相違から「信頼関係に亀裂」
【カイロ=西田道成】イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は5日、ヨアブ・ガラント国防相の解任を決めたと明らかにした。ネタニヤフ氏は、軍事作戦の指揮に関して、ガラント氏と重大な意見の相違があるとして、「ここ数か月で信頼関係に亀裂が広がった」と理由を述べた。後任には、イスラエル・カッツ外相を充てる。
ネタニヤフ氏がイスラム主義組織ハマスの壊滅に向けてパレスチナ自治区ガザでの戦闘継続の姿勢を崩さないなか、停戦や人質解放などを巡る交渉に前向きな立場のガラント氏は反対意見を述べ、対立が続いていた。ガラント氏の解任で、停戦交渉がさらに難航する可能性が高まった。
ネタニヤフ氏は声明で、ガラント氏との対立が「軍事作戦の適切で継続的な運用を妨げることになった」と非難した。ガラント氏はSNSで、「イスラエルの安全はこれまでも、これからも私の人生の使命であり続けるだろう」とコメントした。
地元紙タイムズ・オブ・イスラエルによると、ネタニヤフ氏は5日夜に首相官邸でガラント氏と面会し、解任の旨を伝える文書を手渡した。文書には、ガラント氏の任期が48時間で終了する旨が書かれていたという。
一方、イスラエル軍はガザやレバノン南部での空爆や地上作戦を継続している。ロイター通信によると、ガザでは北部ベイトラヒヤなどが4日夜から5日にかけて空爆を受け、少なくとも30人が死亡した。