館山で全国ふぐ連盟が総会 水産大学校教授の記念講演も(千葉県)
フグの安全で継続的な食利用に関する活動をする、一般社団法人全国ふぐ連盟(亀井一洋会長)の定時総会が24日、館山市八幡の「夕日海岸昇鶴」で開催された。約50人が昨年度の事業や収支報告、今年度の事業計画などについて協議した他、東京湾でとれる天然トラフグの資源状態について、大学校教授の記念講演を行い、知見を深めた。 料理店関係者、フグ免許試験の試験官らで構成される同連盟。近年、地球温暖化による海水温の変化に合わせて、天然フグの生息域が変化しており、福島県相馬市や千葉県いすみ市で漁獲が増えているが、いずれも館山沖に形成される国内最大級の産卵場が関わっているという。館山の貴重な水産資源の活用、推進を図るきっかけにしようと、館山を会場に総会が行われた。 開催県の代表としてあいさつに立った、千葉県ふぐ連盟の髙橋芳隆理事長は「昨年、相馬市で行った総会で、千葉県で産まれるフグがとれているとの研究発表があった。産卵場である千葉の海から活性化していこうと、総会の地に選んでいただいた。館山市や漁業関係者など、多くの人が『フグという素晴らしい食材をどのように扱っていくのか』について真剣に考えてくれている。フグ食の未来について前に進む日としたい」などと、関係者らに語り掛けた。 昨年度の事業、収支、監査報告、今年度の事業計画案、収支予算案について、いずれも承認された。 記念講演では、国立研究開発法人水産研究・教育機構水産大学校の高橋洋教授が「天然トラフグおよびマフグ間の雑種発生実態」をテーマに講演。安心に活用するには雑種を見極めるフグ処理者の存在が重要であることや、東京湾での発生傾向などについて話した。この他、千葉県水産総合研究センターの尾崎真澄氏が、「千葉県のトラフグ資源と漁獲実態及び資源増大に向けた取り組みについて」と題して講話した。