世界王者の宇野昌磨ですら「相当緊張した」自己ベスト連発の男子シングル。好演技の相乗効果が生んだ”過去最高レベル”の激闘譜【フィギュア全日本選手権】
宇野昌磨が日本男子歴代2位タイとなる通算6度目のV
メダルを確定させた鍵山は、「みんなが完璧な演技をする中で、僕もそういう思いが強かった。(全日本)独特の緊張感に負けない演技ができた」と満足するも、やはりステップでつまずいた場面には少し悔いが残るようで、「ひと言でいうとすれば、『嬉しいけど悔しくて、悔しいけど嬉しい』という感じです」と本音を吐露。年明けには、構成をさらに上げて「パーフェクトな演技が出来るように頑張りたい」と前を見据えた。 ひとつもミスが許されない極限状態のなか、初の表彰台を狙う山本草太も好演技が続く雰囲気に後押しされた。冒頭の4回転サルコウ、続く4回転+3回転の連続トウループなど、すべてのジャンプを成功。演技中には右手で何度もガッツポーズが飛び出した。 パーフェクトな演技で滑り終えると、両手で再びガッツポーズ。すると23歳の目からは涙が溢れ、これまで度重なる怪我に苦しんだ姿をそばで見守ってきた山田満知子コーチと抱き合った。注目の得点はフリー、合計点ともに自己ベストを更新。鍵山の得点にはわずかに届かなかったものの、10度目の出場で初めて全日本の表彰台を掴んだ。 念願のメダルを手にすると、「結果とか順位っていうものを本当にあまり気にせず、自分が練習でやってきたことをすべて出し切ろうと。それがあまり強い緊張感につながらず、すごくいい演技につながったんじゃないかな」と会心の出来を振り返る。 加えて、「山あり谷ありで苦しい日々だったが、ここまで頑張ってきて良かった。満知子先生が『本当に良かった』と言ってくださった。リンクを上がって熱いハグをくださって涙が出ました」と、リンク脇で起きた熱いエピソードを思い返した。 会場の熱気は最高潮のなか、大トリには昨年の全日本王者が氷上に立った。 ショートでは唯一100点台をマークしていた宇野は、最終滑走でも落ち着いた演技を披露した。冒頭の4回転ループは着氷が少し乱れて回転不足をとられたが、4回転フリップ、トリプルアクセルからの連続ジャンプなどを決める。基礎点が1.1倍になる後半は4回転+2回転の連続トウループを完璧に降り、単発の4回転トウループを着氷。最後の3回転サルコウも綺麗な流れで、プレッシャーがかかる中でミスを最小限に抑える貫禄のスケーティングを見せた。 フリートップは鍵山に譲ったものの、合計得点で5.94点の差を守った宇野が6度目の頂点に立ち、王者としての底力を見せつけた。
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