<速報>ダルビッシュ、5回3安打1失点7奪三振で1年10か月ぶり復活白星!
レンジャーズのダルビッシュ有(29)が28日、本拠地で行われたパイレーツ戦に、実に658日ぶりに先発マウンドを踏み、5回を投げて毎回の7奪三振、3安打1失点の内容で勝利投手の権利を持ったまま降板。チームは継投リレーで5-2とリードを守り、2014年7月28日のヤンキース戦以来の復活白星を手にした。 ダルビッシュは昨年3月に右肘をトミー・ジョン手術。長いリハビリと、マイナーでの5試合の試運転を経てメジャーのマウンドに帰ってきたが、肉体改造により、フィジカル能力が上がったため、力みの消えた安定感が印象的だった。この日は、偶然にもダルビッシュの母の誕生日。最高のプレゼントにもなった。
アーリントンに青空が広がる。 注目の第1球。バランスを考えてか、セットポジションから投げ込んだ151キロのストレートが指にひっかかった。左打者のジェイソの膝下へ大きく外れた。ストライクを取りにいった2球目をジェイソのセンター前へ弾き返される。マウンド上でダルビッシュは首をかしげた。続くマカチェンを縦に切れるスライダーでスイングアウト。ここ5試合で打率・409のポランコをショートライナーに打ち取ったが、飛び出た走者を刺そうとした送球がそれてスタンドに入ったため、走者は三塁へ進んだが、4番のフリースを三塁ゴロに詰まらせた。早くも最速は、157キロ。フォーシーム、ツーシームのストレート系のボールを軸に立ち上がりをまとめた。 全米のメディアもダルビッシュの1年9か月ぶりの復帰登板に注目を集め、入場チケットは、4倍にはねあがった。ただ、パイレーツは、3割打者が4人も並び、チーム打率.284は、ナ・リーグ1位。43本、221打点の方も3位という強力打線である。韓国人メジャーリーガーのカン・ジャンホはスタメンを外れたが、復帰戦のダルビッシュにとっては、ハードルの高いチームだ。 味方打線もダルビッシュを援護。初回に連打から無死二、三塁とすると、フィルダーの内野ゴロの間に1点を先制、さらに一死三塁から4番のベルトレイがバックスクリーンに飛び込む9号2ラン。これが記念すべき通算1500打点を通過する1501打点となって、ダルビッシュの復帰戦に華を添えた。 2回はマーティをストレートで三振、セルベリをツーシームで中飛、ジョイスを見逃しの三球三振。3回は一死からフェィゲロアを歩かせ、ジェイソにも抜けたボールが目立った。三振に切ったが、フルカウントから二盗を許し、マカチェンは、ボールを振らせてショートライナー。ここまで42球。球数が少しかかった。 4回は一死から154キロのストレートで4番のフリースから5つ目の三振。3人で料理した。 「手術をしたことで、もう一度、肉体のチェックをし直すことができた。時間を有意義に使えた」 ダルビッシュは、1年9か月の失われた時間をポジティブに考え、進化の時間に置き換えた。フィジカルトレーニングにより肉体を大改造。アスリートとしての“排気量”を増やした。その成果だろうか。 ピッチングから明らかに力みが消えている。力みがないと、当然、フォームに安定感が生まれ、スイスイという表現がピタリとくるリズムとテンポで、イニングを切り抜けていくのだ。