楽天アカデミーコーチ・聖澤諒さんが見た「成長しつづける子」と「伸び悩む子」の違い
人見知りでも「損をしない」ために子どもに教えたいこと
――5歳で初めて集団生活を経験する子どもも多いと思います。その場合、親はどのように接するべきでしょうか? 聖澤:最初から完全に突き放すのは難しいので、段階的に進めるのが良いでしょう。楽天イーグルスアカデミーでは、保護者のみなさんにもネット越しなど、少し離れた場所で、子どもたちの状況を確認いただいています。子どもたちが自分の意思で、輪に入っていく事を見守れる環境が重要ですね。 ――人見知りの子どもと社交的な子どもでは、成長に違いがありますか? 聖澤:確かに違いはあります。社交的な子どもの方が、指導をより多く受けられる傾向にあります。指導者としても、反応がある子どもにはより丁寧に教えようとしますし、理解度も確認しやすいです。一方で、人見知りな子どもは、理解度が把握しにくいため、指導が進みにくくなることがあります。 ですので、人見知りの子であったとしても、そういう場で損をしないように「挨拶と返事」の大切さを教えています。コーチから見て反応が良ければ、何で困っていて、どう指導したらよいかがわかりやすいからです。「挨拶と返事」であれば、性格に左右されずに誰でもできるようになりますから。 ――なるほど。挨拶と返事はコーチがより効果的な指導をするために必要なんですね 聖澤:その通りです。もう一段階レベルを上げるのであれば、挨拶や返事に加えて一言だけでもコメントを添えられるようになると、さらにコミュニケーション力が高まります。 例えば「こんにちは、今日の天気はいいですね」といった具合です。 また、他人の失敗や指導を自分のことのように捉える姿勢も大切です。他人ごとと思わずに、自分の成長のヒントとして活用できる子どもは伸びる傾向にあります。他人とどう関わるか、自分以外のことをどう捉えられるか。そういった点が子どもの成長を分けるポイントかなと思います。
nobico(のびこ)編集部