新車「800万円超え」の軽自動車! でも乗ればホレる完成度 スズキ製エンジンでなぜ?
快適性皆無だけどチョー楽しい!!
こうして「スーパーセブン」の生産・販売の権利を手に入れたケーターハムは、独自に改良とバリエーション展開を広げていき、2014年には日本仕様としてスズキの軽自動車のパワートレインを流用した「スーパーセブン160」シリーズを発表。これが日本だけでなく世界的に好評を博したことから、2021年に後継車種となる「170」シリーズを登場させました。 以前、筆者(山崎 龍:乗り物系ライター)は「スーパーセブン170」の前モデルとなる「160」に試乗したことがあります。最低限の快適装備は当然として、ドアすらないので風の巻き込みが凄まじく、走り出せば騒音や振動が常にドライバーを襲うというトンデモないクルマでした。 しかし、車重の軽さと重心の低さはスポーツカーにとっては何よりも「正義」で、ありとあらゆる運動物理を味方につけ、軽自動車とは思えない素晴らしい走りを堪能させてくれました。最高出力は85psに過ぎませんが、パワー不足を感じさせることは一切ありません。ステアリングやシフト操作は手首のひと捻りでダイレクトに反応し、誰でも安全な範囲内で意のままに操ることができます。 一言で表すなら「すごく楽しいクルマ」です。それは後継の「スーパーセブン170」も変わらないハズです。このクルマの楽しさを味わうために800万円以上を支払う価値は充分にあるでしょう。軽自動車としてはかなり高価なクルマですが、「スーパーセブン」はリセールバリューもかなり良いため、ピュアスポーツカーを考えている人にはオススメしたい1台です。
山崎 龍(乗り物系ライター)