能登地震ルポ 「直しても直しても終わらない」 激震と豪雨、復興の芽も爪痕色濃く
「9月の水害で近くの川が氾濫し、仮設住宅も多くが浸水してしまった。地震の上に水害なんて、がっくりした」。同地区の公民館長、喜田充さん(75)は1年を振り返る。50世帯以上が暮らす地区の中心部にある仮設住宅は高齢者が多く、泥の清掃などは困難を極めたという。
仮設住宅の隣にある公民館では、年越しに向けて餅を配布し、入居する被災者が「ありがたいねえ」と感謝の言葉を口に受け取っていた。雪国の冬はこれから本格化する。喜田さんは「助け合って乗り切っていくしかない」と厳しい表情で話した。(市岡豊大、秋山紀浩)