YOSHIKIさん「ぼくの可能性、広がった」 河合楽器前会長お別れの会
今年2月に76歳で亡くなった河合楽器製作所の前会長兼社長の河合弘隆氏のお別れの会が4日、浜松市内のホテルであった。親交のあったミュージシャンのYOSHIKIさんら約500人が参加。YOSHIKIさんは弘隆さんとの出会いによって「ぼくの表現の可能性は大きく広がった」と感謝した。 【写真】2022年の紅白リハに参加したYOSHIKIさん 弘隆氏は1976年に入社したのち常務や専務を歴任し、89年に社長に就任。2015年から会長を兼務した。社長在任中にはバブル経済の崩壊やリーマン・ショックなどの苦境を乗り越えて、インドネシアをはじめとするグローバル戦略を推進した。 お別れの会では、ピアニストの遠藤郁子さんがピアノを献奏。友人を代表して後藤康雄・はごろもフーズ会長が「ピアノづくりに情熱を注ぎ、世界の一流ブランドを築いた経営手腕は私のお手本」と弔辞を述べた。鈴木康友静岡県知事らもビデオメッセージを寄せた。 弘隆氏の娘婿で、経営を引き継いだ河合健太郎社長は「KAWAIブランドを守り、さらに発展させることを生涯の使命と決意し、強い覚悟で社業に臨みます」と参加者に語った。【山田英之】 ◇YOSHIKIさんメッセージ(要旨) 河合さんとの出会いは、ぼくの音楽人生における重要な転機でした。河合さんの情熱、ビジョン、音楽への深い愛情に触れた瞬間、とても強い感動を覚えました。それ以降、ぼくの表現の可能性は、大きく広がったと感じています。 2017年、ぼくが最初にニューヨーク・カーネギーホールでコンサートをした時、河合さんが日本から駆けつけてくれたことを鮮明に覚えています。その時、かけてくださったねぎらいの言葉は、ぼくにとって計り知れない力となりました。 海外で戦っていると時には、とてつもない孤独に襲われることがあります。そんな時、いつもぼくのそばにはKAWAIのピアノが寄り添ってくれます。KAWAIのピアノは体の一部と言っても過言ではない存在だと思っています。 河合さんは音楽への深い愛があり、その力を信じる方でした。多くの音楽をしている人の支えになり、音楽業界に革新をもたらしました。心から感謝と敬意をささげます。河合さんの音楽への愛は、これからも音楽家の心に永遠に生きていくことでしょう。