「僕は猜疑心が強かった」ーー除隊から1年、チャン・グンソク、抱えていた双極性障害、再スタートを語る
入隊も双極性障害の発表も、突然だった。 「チャン・グンソクは兵務庁の身体検査で『双極性障害』により4級の兵役判定を受けました。これにより、社会服務要員として2年間代替服務する予定です」 2018年7月6日、所属事務所が公式コメントを発表。さまざまな臆測が飛び交うなか、メディアやファンの前に姿を見せることもなく、そのわずか10日後に静かに入隊した。社会服務要員とは、軍以外の公的機関に配属される者のこと。徴兵検査で医学的に現役(陸軍、空軍などの兵士)として服務が不可能とされたり、家族に戦没者がいるなどの事由を抱えていたりする人が対象となる。社会服務要員として入隊する芸能人も少なからず存在するが、兵役判定の理由が双極性障害だと明かすケースはごくまれだ。 「『双極性障害で社会服務要員として入隊する』と事務所として公式に発表しました。僕はあまり気にしなかった。ウソじゃないから、仕方ない。それも人生。そういう気持ちでした。以前から、僕は誰かから質問されても全然大丈夫だし、正直に言うねって感じだったけれど、あえて聞く人はいなかった。舞台の上やカメラの前ではパフォーマンスに集中しなければならないし、『つらい』と言うとみんなが心配してしまうので、20代のときは公の場では一度も話したことはありませんでした」
明かして気持ちが軽くなったかとたずねると、静かに首を横に振った。 「同じです。周りの仲のいい友だちは、みんな知っていました。『僕は来年軍隊に行くけれど、双極性障害を患っているので、どうなるかわからない』と話すと、『チャン・グンソクだからしょうがない』って冗談っぽく返してくれて。ありがたかったですね。すごくシリアスに『心配してあげる』と言われるのは嫌だったから」
“軍人”のチャン・グンソクとしてなんでもやった
配属されたのは、ソウル消防災難本部だ。自宅から自分で車を運転し、朝9時に出勤して夕方6時に退勤する、彼が「サラリーマンみたいな」と表現する規則正しい日々。経験したのは、芸能界とはまったく異なる世界だった。 「エクセルで数字を入力しました。やったことありますか?あれはサイアク!(笑)。あとは掃除をしたり、扇風機50台を運んだり。皿洗いもやりました。僕の部署は決まったルーティンはないんです。出勤するといつも緊張しながら待っていて、電話で『おい、チャン・グンソクくん、こっちに来い』と言われたら、『はいっ!』って駆けつける。何でもやりました。僕がそれまで30年近くやっていた仕事とは全然違ったんです」