「僕は猜疑心が強かった」ーー除隊から1年、チャン・グンソク、抱えていた双極性障害、再スタートを語る
今の韓流ブームに何を思う?
除隊から1年。5月26日に明るいミディアムテンポの日本語曲「Emotion」を発表してアーティスト活動を本格的に再開した。「本能のままで身を委ねなよ」という歌詞は自ら手がけたもので、「ありのままのチャン・グンソクを表現したらセクシーになった(笑)」。リリース日はBTSの「Butter」とわずか5日違いで、くしくも韓国の新旧トップアーティストが競演する形となった。自身が表舞台から姿を消している間にワールドスターになったBTSという存在を、どんな思いで受け止めているのか。 「僕もARMY(BTSのファンのこと)です(笑)。10年前、日本で活動していたときは、少し寂しかった。一緒にお酒を飲んでくれる芸能人も少なかったから。いまはK-POPがはやっていて外国で活躍する韓国の芸能人もますます増えました。この時期に復帰したのは、すごくいいタイミングだと思いますね」 さかのぼれば、日本の韓流ブームに火をつけたのは、2004年にNHK地上波で放送されたドラマ『冬のソナタ』のペ・ヨンジュンだった。チャン・グンソクは自分がヨン様に続く第2次韓流ブームの立役者となった理由を「ドSなキャラクターのせい」と分析する。 「ペ・ヨンジュンさんは韓国人の男性のイメージを、すごくやわらかい優しい感じに、完全に変えました。そのあと、いきなりチャン・グンソクという人間が出て。優しくないんですよ、全然(笑)。やんちゃで、アイラインとかしていたし、髪の毛も長かった。新しい韓国の俳優のイメージを見せる役割を、僕がしていたのかな、と思います」
「あのときのキャラクターは、演じていた部分とありのままの自分、両方があった。でも、もともとの性格がベースになっていたと思います。子どものころからずっと、親に『ウソはバレる』って言われてきて、その言葉が好きなんです。キャラを作っても、ウソだったらバレる。ドラマやパフォーマンスのときも、チャン・グンソクらしくないと。インタビューだって、ドSじゃなくて、『あー、すみません』ってこうしたら(と立ち上がって頭をペコペコ下げる)、おかしいじゃないですか」 チャン・グンソクにとって日本は「自分の限界を突破させる場所。もっともっと強くしてくれる存在」だという。兵役とコロナ禍で3年間来日が不可能ななか、Netflixで日本の映画を見て日本語に触れている。 これからの取り組みについて「実は、料理のコンテンツを準備しているんです。SNSで使っているヤメシェフっていうニックネームはサブキャラ。チャン・グンソクとして音楽、それからシリアスなラブストーリーも演じてみたいですね」と答える。 入隊前に、うなぎ(ファンのこと)に直筆の手紙で「浮気したら殺す」と伝えたチャン・グンソク。インタビューの最後に「いまうなぎたちに贈りたい言葉は」とたずねると、「ちょっと時間ください」と斜め上を見ながら考えること約2分。 「じっと待ってろ。俺が会いに行くから!」と、破顔大笑。 いたずらっぽい目は、10年前の来日記者会見のときとちっとも変わっていなかった。