「コット」と「マット」快適に眠れるのはどっち? それぞれのメリットとデメリットとは
キャンプでの快眠には欠かせないマットとコット。好みやシチュエーションによって、どちらを使うのかは意見が分かれるところです。今回はコットとマット、それぞれのメリットとデメリットを紹介していきます。 【写真】テント泊の必須アイテム「コット」と「マット」の使い方を見る(全9枚)
コットのメリットは地面の影響を少なくできること
コットとは、簡易的なベッドのような寝具のこと。地面と寝ている部分との間に空間が生まれるため、地面から伝わる冷気や熱気を軽減できるのが最も大きなメリットです。寝苦しい夏の夜や、寒さ対策が必須の冬のキャンプにはまさにぴったり。 地面からの感触が伝わりにくいのも大きな利点です。硬めの地面で設営した際や、河原などの砂利のサイトでの睡眠には大活躍。地面に何らかの問題がある場面では、第一の選択肢になってくる寝具といえるでしょう。 またコットは寝具以外にもベンチや荷物置きとして使うなど、多様な使い方ができるのも大きなメリット。他にも川の浅瀬に設置して水上でくつろぐといったロマンのある使い方も可能で、ファンの多さにも納得できるキャンプギアです。 一方でコットのデメリットはクッション性がないこと。コットは圧力が一点に集中しやすいため、背中や肩、腰に負担がかかりやすくなってしまいます。またコットは組み立てて使用するものが多く、慣れていないとスムーズに設置できず、時間がかかることもデメリットかもしれません。
コットの選び方も重要なポイント!
コットには3種類の高さがあり、基本となるのがハイコットとローコット。これは単純にフレームの脚の長さで分類されています。明確な区切りはあるわけではないですが、高さ10~20cm程度がロー、30~40cm程度がハイと呼ばれることが多いよう。また、脚の長さを調節できる2WAYコットも人気です。 地面からの距離が離れている方が温度の伝達を抑えられるため、暑さ寒さを防ぎたい人はハイコットがおすすめ。ただ、ハイコットの場合収納サイズが大きくなるため、自身の荷物量やテントのサイズによって選ぶと良いでしょう。
軽くて携行性に優れる「マット」も人気
コットと異なり、マットはフレーム部分などが存在しないため軽いものが多く、持ち運びがしやすいのが魅力です。コットと比べると断熱性に不安があるようにも思えますが、環境にあった製品を選べばそこまでの心配はありません。 マットにはR値という断熱の性能を示す値があり、R値の高いマットなら地面からの冷気を遮断できるので冬の寒さ対策にうってつけ。キャンプでのR値の目安は1~2が夏、2~4が春から秋、4以上が秋や冬となっています。 マットの場合は様々なタイプの宿泊環境でも使いやすく、車中泊などでも活躍。ひとつ持っておけば応用しやすいため、初心者はまずマットから始めるのが良いかもしれません。 マットのタイプは主にエアマット、クローズドセルマット、インフレーターマットの3種類。空気を入れて膨らませるタイプのエアマットは持ち運び時がコンパクトで、自分好みの硬さにカスタマイズできるのがメリット。しかし穴が開くと使えなくなるのが心配なポイントです。 クローズドセルマットは空気が必要なく、ウレタンなどの素材で作られたマットのこと。軽くて設置が簡単なのが特徴ですが、クッション性はエアタイプと比べると低くなっています。インフレーターマットは両者の良いとこ取りをしたようなタイプで、ウレタンと空気のハイブリット構造になっています。クッション性も高く寝心地は最高ですが、値段の高さがデメリットといえます。 マット、コット、それぞれに長所と短所がありますが、なかには「コットの上にマットを敷く」という人も。寝心地、断熱性ともに最高で、「クッション性も温かさも最高!」といった声が。スペースや予算、荷物の量に問題がなければ、一番快適に眠れる方法かもしれません。普段の生活同様に、良い睡眠は良い活動の基本です。自分に合った寝具で、アウトドアを満喫してください。
野中陽平