【喘息】勝手に治療を辞めるのは危険!? 「喫煙者と同じ肺レベル」になることも…医師解説
そもそも喘息はなぜ起こる? 呼吸器内科が喘息の仕組みと治療期間を解説
編集部: そもそもなぜ、喘息が起きるのですか? 柿沼先生: アレルギーなどが原因となって気道で慢性的に炎症が起こると、わずかな刺激でも気道が過敏に反応してしまいます。その状態が喘息です。 編集部: 喘息になると、どのような症状が出るのですか? 柿沼先生: 咳や痰が出たり、呼吸困難を伴う喘息発作が起きたり、気道の狭窄などが起こったりします。具体的には「主に夜間や早朝に息苦しくなる、咳が止まらなくなる」「呼吸のたびにゼーゼー、ヒューヒューという音がする(喘鳴)」「運動したり冷気に当たったりすると息苦しくなり、咳が出る」といった症状が見られます。 編集部: 喘息の原因はアレルギー以外にありますか? 柿沼先生: アレルギーのほかには喫煙、呼吸器感染症など環境的素因、遺伝子素因、アトピー素因など個体因子も関係しています。そのほか、出生時の体重や肥満も喘息の発症に関係しており、BMIが高いほど喘息を発症するリスクが高いとされています。 編集部: いろいろなことが原因になるのですね。 柿沼先生: はい。それから子どもの喘息の場合には、親の喫煙も大きく関わってきます。また小さい時にRSウイルスに感染すると、喘息の発症リスクが高まります。 編集部: 喘息の治療はどのように行うのですか? 柿沼先生: 喘息の治療は症状の重症度によってステップを調整します。つまり、喘息症状の悪化やコントロールが難しくなってきたら治療の内容や強度をステップアップし、反対に「発作が起きない」「症状がない」などコントロールできるようになったら、少しずつ治療をステップダウンしていきます。 編集部: どれくらいの期間を見込めばいいのですか? 柿沼先生: 基本的に、喘息は慢性疾患なので生涯を通じて付き合っていくものと考えた方が良いでしょう。その上で、症状の程度に応じて治療の内容をアップ・ダウンしていきます。例えば喘息の症状が安定している場合、少なくとも3カ月は様子を見てステップダウンすることが大切です。