豪鉄鉱石大手フォーテスキュー、採掘の「脱炭素化」に4000億円投資
オーストラリアの富豪、アンドリュー・フォレストが所有する時価総額で世界4位の鉄鉱石採掘会社フォーテスキューは、脱炭素化の取り組みの強化に向けて、28億ドル(約4050億円)相当の電動車両と採掘機を購入する。 フォーテスキューは9月25日、西オーストラリアで稼働する採掘用車両の3分の2を入れ替えるため、ドイツ建設機器メーカーのリープヘル・インターナショナルから475台の採掘機器を購入すると発表した。 この購入には、360台のバッテリー式無人トラックや55台の電動掘削機、60台の電動式ブルドーザーが含まれている。 「この契約は、世界最大規模のゼロエミッション採掘車両群の誕生につながるもので、化石燃料に依存しない採掘産業の未来のための大きな進歩となる」と、フォーテスキューは声明で述べた。この車両群は、西オーストラリア州の辺境、ピルバラ地域にある同社の鉄鉱石事業の二酸化炭素(CO2)の排出を抑えつつ、長期的なコスト削減にもつながるという。 この契約は、両社の脱炭素化目標の達成に役立つものだと、フォーテスキューは述べている。リブヘルとフォーテスキューは、2030年までに「包括的かつ大規模なゼロエミッション採掘エコシステム」の運用開始を目指しているという。 「リープヘルとフォーテスキューは、大規模な採掘作業向けの完全な自律型の電動ソリューションを展開していく」と両社は声明で述べている。また、この2社が共同で開発中の「Europa」と呼ばれる水素燃料の大型トラックは最近、パースからピルバラ地域までの1100キロメートルの道のりを走破したという。 2003年にフォーテスキューを設立したフォレストは、鉄鉱石の世界的大手の同社をグリーンエネルギーの巨人に変貌させようとしており、水素燃料の開発を支援している。オーストラリアで3番目の富豪であるフォレストは、家族と共に推定153億ドル(約2兆2000億円)の資産を保有している。
Ian Sayson