【ロシアが仕掛ける不法移民を使った「ハイブリッド戦争」】欧州で移民懐疑論が高まる実態
日本も対策すべきこと
欧州で起こっている問題は、他人事ではない。近い将来、日本でも同様の問題が起こりうることを念頭において、対応ぶりを検討しておくことが重要である。 日本は、深刻な人口減少・労働力不足に直面し、外国人労働者数は、この10年間に約2.9倍増の約205万人(23年10月現在)となった。また、今後数年間の内に、(在留資格)特定二号で定住・永住化する外国人材の大幅増(含む家族)が見込まれるところ、外国人材の「社会統合」を円滑にする施策を推進することが不可欠である。 この関連では、外国人材受け入れ共生のための総合的対応策(19年以降閣議決定で毎年更新)などが推進されている。さらに、治安対策、経済安保対策の一環として、スパイ防止法の早期制定、中国の「国家情報法」への対応策の検討も不可欠である。 日本への難民申請は、これまでのところ限定された人数にととどまっている。ただし、日本周辺の地政学的リスクが高まっていることを勘案すると、起こりうる有事を念頭に、避難民・難民対策を含む対応策を検討しておくことも重要と考える。
岡崎研究所