「ランブレッタ、モトモリーニ、SWM」名門イタリアンブランドの最新モデルに注目! EICMA2023レポート
ヴェロチフェロ「イタルジェットを設立した元レーサー・タルタリーニ氏による新ブランド」
「VELOCIFERO」(ヴェロチフェロ)は、レオポルド・タルタリーニが1993年に設立したイタリアンメーカーだ。 タルタリーニは、ドゥカティやベネリのワークスライダーを務めてそれぞれに数々の勝利をもたらしたほか、怪我でレースを引退した後は、ドゥカティの市販車の耐久性をアピールするため南アフリカのケープタウンまでの冒険旅行を成功させるなど、イタリアのバイク界で活躍した。 ちなみにタルタリーニの父、エッジオ・タルタリーニは初期のモトグッツィでワークスライダーを務めた人物だ。 レオポルドはヴェロチフェロの設立よりはるか昔、ドゥカティを退いた直後の1959年にイタルジェットを設立し、バイクやスクーターの設計を手がけている。そしてレオポルドの息子であるアレッサンドロ・タルタリーニもバイクデザイナーとなり、1998年に登場したハブステア機構を持つ「ドラッグスター」「フォーミュラ」を作り上げている。 そんなヴェロチフェロは現在、EVを中心としたプロダクトを開発、生産している。EICMAに展示したニューモデルのひとつ「RACE-X」(レースX)は、最高速110km/h、最長航続距離170km、車重153kg。フロント17インチ、リヤ15インチホイールを装着するEVスクランブラーだ。専用充電器を使った場合110から240Vの電源で2.5時間で充電可能というスペックを持つ。これはすでに市販が決定しており、2024年3月からイタリアを中心に7600ユーロで販売される。 「TENNIS-E」(テニスE)は、同社の125ccスクーターの車体をベースとするEVで、着脱式バッテリー2個を搭載し、最長80kmの走行が可能。18度の坂道を登る走行性能も持っている。こちらも2024年3月発売だ。バルーンタイヤとリヤサスペンションが迫力のフォルムを作り出している「ビーチマッドスポーツ」は、最大トルク150Nm、最高速度80km/h、最長で70km走行可能。車重は92kgと見た目より軽い電動スポーツバイクだ。 また、ブースには2023年9月にイタリア・モンツァで開催された「ワールドチャレンジヨーロッパ」で速度記録に挑んだ電動スクーターのプロトタイプも展示。アレッサンドロ自身が走らせて最高速198km/h、0-100km/h加速で3.27秒の記録を残している。この車両にある「金宇星」はモーター、「RYDBATT」はバッテリーのメーカーで、ともに中国のメーカーである。