「意外と今までの人生も悪くないと思えてきた」“ひとり旅ビギナー”おづまりこさんが旅から学んだこと
意外と世界は優しかったし、自分はちゃんと楽しめる
――6つの旅を終えて、旅に対してのイメージはどう変わりましたか。 1年前は「どうやら旅はいいらしいぞ」と思いつつ、苦手意識が強くて。今は「旅っていいねえ」という気持ちだけがあります。 当時はパッケージツアーのイメージから、旅行といえば海外、飛行機。日常と全く違う場所に行って、普段と違うことをしないといけないという固定観念がありました。日数もお金もかかるし、長年取り組んできた「節約」の対極に「旅行」があって、ずっと私にはムリだと思っていて。 でも、やってみたら意外と何でも旅になるんですよね。1泊2日で隣の町へ行って日常から少し離れるだけで、気分転換になる。自分の好きにしていいということがわかりました。最後の「京都で懐かしおもいで旅」では、それまで欠かさず買っていた自分へのお土産を買っていないばかりか、帰宅するまでそのことに気づきもしなかったんです。 旅という目線で切り取ると、見慣れたものも違って見えてくるという発見もありました。今は関西在住なので関西近郊を巡ることが多いのですが、近くの場所でも“旅フィルタ”を通すことで見えてくるものがあります。以前住んでいた場所に行ってみるのも面白いですよね。東京を離れて1年以上経ったので、そろそろ東京へ旅行してみたいです。今行くとまた違う風に見えるかなあと。 ――旅を通じて、おづさん自身はどう変化されましたか。 ちょっと明るくなったというか、視野が広がったように思います。旅って、行こうと思ったら行けるものなんだなと。 第5章「神戸アンティークときめき探し」では、ひとりでバーへ行くと決めたもののすごく不安があったんです。知らない土地の初めてのお店だし、嫌な気持ちになったらどうしようと。でも、行ってみたら優しい人ばかりで楽しく帰って来られました。 意外と世界は優しかったし、自分はちゃんと楽しめるんだという自信がつきました。ひとりを本気で楽しむには、経験が必要なんだと思います。普段読んだり考えたりしていること、時間そのものが、全部旅に出てくる。 ひとり旅は「ひとりですることの集大成」のような感じ。旅を重ねるにつれ自信もつくし、行きたいこと、やってみたいことが増えていきます。