後から乗ったお客に押され、あっという間に満員電車に。「荷棚に置いた荷物」を取るのに苦戦していたら、目的の駅を通過してしまいました。1駅分戻る場合、その料金は上乗せされるのでしょうか?
日常生活での移動において、電車は必要不可欠な存在です。 電車を利用している際に、目的地の駅で降りられずに乗り過ごしてしまった経験がある方は少なくないはずです。寝過ごしや満員電車で車両内を移動できないなど、理由はさまざまでしょう。 電車を乗り過ごした場合は近くの駅で降車したうえで、反対方向の車両に乗って目的の駅を目指すのが一般的です。つまり、折り返し乗車という行為ですが、問題は料金です。 そこで、本記事では折り返し乗車における料金について解説します。 ▼新幹線で1人で「2席分」の購入はNGなの? 規則を確認
電車を乗り越すとどうなる?
根本的に、鉄道利用においては実際に乗車した経路に応じて運賃を支払うのが鉄則となります。つまり、折り返し乗車をした場合は、降車駅から本来の目的地である駅までの料金も追加で支払う必要があるといえるでしょう。 ただし、状況次第では折り返し乗車をしても、追加の料金を支払う必要がないケースもあります。 簡単にいえば、乗り過ごしや折り返し乗車がやむを得ない状況だったと認められた場合です。例えば、路線を間違えたり気付かずに乗り越したりした場合が該当します。JR東日本の旅客営業規則においても、乗車券の区間外に誤って乗車し、その事実を係員が認めた場合は誤乗区間を無賃送還扱いにするとされています。 今回のケースでは、目的の駅を通過する時点で乗り越しに気づいている点がややイレギュラーといえるでしょう。乗り越しを自覚している場合、無賃乗車に相当するケースがあるからです。しかし、やむを得ない結果でもあるため、状況を丁寧に説明すれば無賃送還が認められる可能性は高いでしょう。
不正乗車に相当する行為
折り返し乗車だけでなく、電車の利用における不正乗車にはさまざまな種類があります。 不正乗車の種類を以下にまとめました。 ・キセル乗車 ・区間外乗車 ・折り返し乗車 ・無人駅での無賃乗車や無賃下車 キセル乗車とは、2枚以上の乗車券を利用することで乗車券がない区間を移動し、その料金の支払いを免れる行為です。喫煙具の1種である、キセルからこの呼び名が付きました。 前述のように、折り返し乗車においては故意ではなく、誤りであれば不正乗車にはなりません。ただし、明確な動機がある場合は不正乗車に該当します。 折り返し乗車における動機の一例は以下の通りです。 ・区間外の駅構内にある商業施設などを利用するため ・座席を確保して目的の駅へ向かうため ・快速や特急列車に乗車するため 上記のようなケースでは明確な動機が存在するため、折り返して乗車した区間における料金も支払わなければなりません。支払わなければ不正乗車に該当します。
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