若手やルーキーがチャンスをもらうには時の運なども必要。それをつかみ取った広島の栗林に阪神3人と楽天の早川に期待よ【岡田彰布コラムのそらそうよ】
栗林のクローザー起用は広島首脳陣に拍手よ
相手に向かって行く強い気持ちで開幕からクローザーを任せられ、連続無失点記録を続けている広島・栗林。こういうルーキーの活躍は清々しいよな[写真=内田孝治]
首位を走る阪神に、新戦力が舞い降りた。プロ2年目の西純矢である。5月19日、甲子園でのヤクルト戦。プロ初登板初先発で5回を被安打0、無失点。プロ初勝利を手にした。 初回いきなり2者連続四球で、どうなるやら……と心配させたが、山田(山田哲人)、村上(村上宗隆)を打ち取り、これで落ち着いた。さすがドラフト1位よ。ストレートの質は一級品だし、何より“攻める”気持ちが素晴らしかった。高卒のドラフト1位が初登板で勝利投手になったのは、球団史で初めてのこと。タイガースに、またひとり“新鮮力”が出現したことで、チームはますます勢いが出る。まさに追い風です。 今シーズン、球界は新しい力の登場に沸いている。西純は2年目だが、ルーキーの活躍が大いに目立っている。新人が活躍できる背景、そこにはチーム事情が大きく影響している。こう書いているオレも、チーム事情が大きく絡んだ1年目を経験している。1980年、早大から阪神に入団した1年目。なかなか出番がなかった。一軍にはいたけど、先発で使ってもらえなかった。それは当時の監督、ブレイザーの方針だった。「新人を1年目は使わない」と。オレははっきりと聞かされた。なんでや……と思ったけど、ガマンするしかなかった。これがチーム事情なんだ。でもブレイザーは早々に退団することになった。それによってオレは先発出場することになり、最終的に規定打席に到達。新人王に選ばれるわけである。 プロの世界、成功するには実力次第ではある。しかし・・・
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週刊ベースボール