JASRACが会見(全文1)文化庁が音楽教室からの著作権使用料、徴収開始の裁定
日本音楽著作権協会(JASRAC)が音楽教室に著作権使用料の支払いを求めている問題で、文化庁は徴収開始を認める裁定をした。これを受け、JASRACは8日午後4時から都内で記者会見を行った。 徴収に反対していたのは音楽教室でつくる「音楽教育を守る会」。同会とJASRACは現在係争中で、その間は音楽教室側にに督促しないよう行政指導した。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「【中継録画】音楽教室から著作権料徴収認める裁定 JASRACが会見」に対応しております。
出席者の紹介
司会:皆さま、大変お待たせいたしました。本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。ただ今より音楽教室使用料規程の裁定に関する記者会見を開催いたします。それでは、まず初めに出席者をご紹介いたします。理事長の浅石道夫でございます。 浅石:浅石です。よろしくお願いします。 司会:業務本部統括常務理事の大橋健三でございます。 大橋:大橋でございます。よろしくお願いいたします。 司会:私は進行を務めさせていただきます、広報部の【タキ 00:04:09】と申します。よろしくお願いいたします。本日の会見でございますが、質疑応答を含めまして45分間、16時45分の終了を予定しております。どうぞ進行にご協力のほど、よろしくお願いいたします。それでは早速ですけれども、浅石理事長から昨日の裁定を受けましてJASRACの考えを述べさせていただきます。
裁定を受けてのJASRACの考えについて
浅石:浅石でございます。雨の中、お集まりいただきましてありがとうございます。昨日3月7日に文化庁長官の裁定が下りましたので、裁定に対するJASRACの考え方につきまして、私のほうから説明をさせていただきまして、具体的な管理開始日等につきましては、担当の常務理事であります大橋からご説明をさせていただきます。着席いたします。 JASRACが2017年6月7日に文化庁長官に届け出た使用料規程【音飛び 00:05:18】音楽教室を守る会が裁定申請を行ったことによりまして、2018年1月1日より予定をしておりました使用料規程の実施が、一時保留となっておりました。この裁定申請に基づき、1月23日と2月5日の非公開の意見聴取、3月5日の文化審議会の答申を経て、昨日、文化庁長官から裁定が下りました。裁定内容はすでにご承知のことと存じますが、守る会が求める実施の保留は行わず、裁定の日をもって実施の日とするという、実質、裁定申請を棄却するものであります。守る会との係争は行政と司法の場で争われておりましたが、今回の裁定により行政手続きとして結論が出ましたので、裁定に沿って総括させていただきます。 JASRACは裁定申請に対して、却下として本件申請自体を不適法として取り上げない趣旨の裁定をなすべきこと。または棄却として本件使用料規程の実施を認めるとの趣旨の裁定をなすべきこと、このいずれかを求めておりました。裁定の理由の1にありますとおり、利用者代表制については文化庁長官が協議再開命令を行う際に肯定しているとして、裁定申請内容の実質審議を行っております。 JASRACは、そもそも管理事業法の協議・裁定の手続きは、利用者代表を名乗る団体が、利用者すなわち利用行為をする者を構成員とすることを前提として著作物等の利用の円滑化を図るため、指定著作権等管理事業者との間における使用料規程に係る利害の調整を目的とするものであって、著作物を使用するなんらかの行為が、著作権法の規定する利用行為に当たるかどうかを審理判断をすることを目的とはしてはいないと主張しておりました。このことにつきましては理由の2で、裁定制度が判断の対象とすることは使用料規程に定める事項にとどまり、利用行為に著作権が及ぶか否かの判断に立ち入ることはできないと明確にしております。 さらにJASRACは、本件訴訟の推移と関連付けた裁定はそもそも不適切であり、許容される範囲を超えていることが明らかであると主張しておりました。この点につきましても理由の3で、実施の日については管理事業法においては最長で6カ月を超えない範囲としているとし、守る会が求めている判決が確定するまでは、裁判が長期化する可能性があり、実施禁止期間を大幅に超えてしまうことになり、本件使用料規程の実施を保留することはできないと、守る会の求めを否定しております。その上で、理由の4で著作権が及ばないとの主張を理由として、実施を裁定により保留することは予定されていないとして、守る会の使用料規程の実施を保留することはできないと重ねて否定をしております。 理由の5では、裁定により著作権が及ぶことを公に認めるものではないのであり、著作権が及ぶかの判断は司法に委ねられていることを明示しております。このこともJASRACの本件訴訟の推移と関連付けることは、裁定ではできないとの主張と沿った理由であります。 加えて、理由の6で最終的に司法判断により確定する時点で生じうる問題についても付言しております。すなわち、実施を保留する場合には司法判断の結果次第では、著作権者等に回復困難な損害を与えることになると考えられるとしているのであります。 なお、最後に使用料規程の実施に当たっての適切な措置について、通知が同日付で出されておりますが、このことは理由7に記載のとおり、JASRACが裁定手続きの中の意見書で申し入れた内容でございます。JASRACはもとより社会的混乱の回避は当然に行うべきことと心得ております。 このように、今回の裁定は司法と行政の違いを明確にした上で管理事業法に基づき、かつ、司法判断が出された時点に生じうる問題にも言及しているものであり、公正で適正な裁定であると考えております。以上で私からの説明を終わらせていただき、担当の常務理事、大橋から管理開始日等の具体的なJASRACのこれからの業務についてご説明をさせていただきます。