JASRACが会見(全文1)文化庁が音楽教室からの著作権使用料、徴収開始の裁定
実態を踏まえて、適切な金額設定をする
それからもう1点、この通知の中に、少量の請求に応じる。つまり契約手続きをしますと。司法の争いは争いとして、許諾契約手続きを申し込みたいという皆さま方に対しても使用料規程は上限であるので、その実態を踏まえて適宜協議をして、適切な使用料の額とすることということで、文化庁からの要請といいますか、お願いといいますか、指導をいただいておるところでございます。 この件については当たり前と言えば当たり前のものでございまして、使用料規程はご承知のとおり、上限でございます。といって、ゴムの物差しのように伸びたり縮んだりするようなものではございませんですけれども、特に今回、楽器教室の使用料規程については、利用者代表である音楽教育を守る会と実質的な内容の協議ができていません。これはJASRACがやらなかったからではなく、JASRACとしては使用料規程案の段階の意見聴取努力義務ということで、ちょうど今ごろですね。1年前の2月から3月にかけて。それから守る会さんのほうから利用者代表として管理事業法に基づく協議の申し入れはありましたけれども、ご承知のとおりその協議の申し入れは、演奏権は及ばないということを前提に届け出た使用料規程の撤回、あるいは不実施を求めるということで、協議の【制度 00:18:14】に10月から何回かやりましたけれども、私どもJASRACとしては使用料規程の具体的な内容について協議しようじゃありませんかというふうに問い掛けましたけれども、いやいやそうではないのであると。あくまでも使用料規程の撤回、あるいは不実施を求めるということで、事実上内容についての協議に入ることができませんでした。 そういった事情を鑑みまして、守る会さんの書面によれば、「不完全な使用料規程」という表現を使っておられますけれども、不完全とは思いませんが、事実上利用者代表の皆さま方と協議が十分にされていない。それもやむを得ずそういう状況になっているというところでございますので、それぞれの音楽教室を営む事業者の皆さま方の、それぞれの講座の実態に応じまして対応させていただく。ご存じのとおり使用料規程は曲別、あるいは月額、それから年額ということで3通りの規程を用意しております。特に曲別の場合については問題はないとは思いますけれども、年額使用料の場合についてはJASRACの管理著作物を利用する講座、受講料収入の2.5%、これをその基準と置いておりますので、例えば全てJASRACの管理楽曲だけを使うようなレッスンもあれば、そうでないものもある。その辺のところについては今後、許諾契約手続きを進めていく中で十分に利用者の皆さま方の実態を踏まえて、適切な金額設定をさせていただくという予定でございます。 いずれにしましてもなお、司法の争いは継続中という、JASRACとしても極めてイレギュラーな形でこの音楽教室の管理が始まるわけですけれども、当該事業者の皆さま方、もとより一般の皆さま方の理解も得た上で、社会的な混乱、このようなことを引き起こすことのないように進めてまいりたいと思っております。以上でございます。 司会:それでは引き続きまして質疑応答に移ります。ご質問のある方は挙手の上、社名とお名前をちょうだいできますでしょうか。 【連載】JASRACが会見(2018年3月8日) 全文2へ続く