「棋士は話し上手が多い」「ファンとの 距離が近い」将棋を“推す”きっかけは 「アメトーーク!」の将棋回だった
大逆転するところも藤井聡太七冠の凄さ
――将棋というと藤井聡太七冠の活躍がよく報道されますが、どこが凄いのでしょうか。 さくら タイトルが8つのうち7つを保持しているのでもちろん凄いのですが、対局を見てもその強さは分かります。ABEMA将棋チャンネルなどの生中継では、画面の上にどちらがリードしているかをパーセンテージで表示してくれます(対局者本人は観ることができない)。藤井七冠は、一度リードしたら順調に差を広げて滅多に逆転されない安心感があります。逆に藤井七冠の側が2%とか負けそうになったところから、大逆転がたびたびあります。自分が不利になっても、相手がミスするように指していくのがうまいというのでしょうか。そんな大逆転のときは、藤井ファンはX(旧Twitter)などのSNSで盛り上がっていて楽しいだろうなと思います。 棋士や女流棋士はXで発信する方が多く、ファンもフォローしている方が多いですね。 ――ネット観戦でも十分に楽しめるのですね。実際に棋士の対局を観ることもできるのですか。 さくら 公開対局といって観客の前で対局する棋戦もあります。将棋日本シリーズという全国11か所を回ってトップ棋士が対局する棋戦の様子を漫画に描かせていただいたこともあります。 ただ、基本は静かな和室で対局者以外は記録係や一部の記者くらいしか入れないところでの対局。タイトル戦も公開対局ではなく、和室にカメラが入って中継されます。 タイトル戦は有名なホテルで行われることが多く、そのホテルのホールなどでは現地大盤解説会もあるんですよ。今年6月には千葉県木更津市のホテル三日月で開かれた棋聖戦第一局の大盤解説会に行きました。お風呂が有名なホテルで、大盤解説会と入浴券がセットになったチケットを購入。東京湾が目の前に広がる露天風呂を楽しんでから、藤井聡太棋聖(タイトル戦ではタイトルを持っている側が、そのタイトル名で呼ばれる)と挑戦者の山崎隆之八段の対局の解説を聴きました。解説は対局者と別の棋士が担当しますが、決着がついたあと、藤井棋聖と山崎八段が大盤解説のホールに来てくれました。お姿を観て声を聴くことができるんです。