生成AIを新規用途探索の自動化や製造現場の技術伝承で活用開始
社内でのAI活用促進施策と生成AI活用方針
個人の業務で生成AIを利用する際には、各従業員が既存の生成AIツールを使いこなすスキルを持つことが重要だ。一方、各組織の業務に特化した用途では、そうしたスキルに加えて、ソフトウェアやITなどの技術/知識が必要となる。そのため、同社では個人と組織の利用の両面で、生成AIの活用を支援している。 個人利用では、「Microsoft 365 Copilot」などの既存サービスを活用し、個人の生成AI活用を促進している。従業員向けのデジタル教育「旭化成DXオープンバッジ」内で生成AIコースを開講し、日本マイクロソフトと連携しての教育プログラムを実施するなど、全社で人材育成を行っている。成果に関して一例を挙げると、書類作成や社内資料検索などに生成AIを活用し、業務全体として1カ月当たり2157時間の時間短縮を実現した。 組織利用では、社内のシステム開発者向けに生成AIモデル利用基盤を2023年12月に公開し、各組織のデジタルプロ人材がそれぞれの業務に合わせた生成AIを社内で構築、管理、運営できるようになった。 特に技術的難易度が高いテーマについては、生成AIの専任組織である生成AI/言語解析ユニットと工場などの生産現場を支援するスマートファクトリー推進センターが技術的支援を行い、必要に応じてシステムの開発などを行っている。成果について一例を挙げると、書類監査の対応においてニーズに合わせた生成AIを開発しプロセスを効率化して、年間1820時間の時間短縮を達成した。 同社は2023年5月にグループ全体で生成AI活用の支援をスタートし、業務の効率化を進めてきた。
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