じつは「山梨県」も他人ごとではない…「南海トラフ巨大地震」が引き起こす「あまりに甚大な被害」
南海トラフ巨大地震
南海トラフ巨大地震と聞いたとき、あなたは何を思い浮かべるだろうか。 激しい揺れ、倒壊する建物、襲い来る津波。おそらく、日本中が混乱に陥るような超巨大災害を想像する人がほとんどだろう。 【画像】「南海トラフ巨大地震」で日本が衝撃的な有り様に…そのヤバすぎる被害規模 内閣府などが出している予測によれば、そのイメージはおおよそ間違えていない。東日本大震災をも超える激甚災害となることが予想されることから、政府・自治体をはじめ行政もその対策に日々追われている。 特に大きな被害が予想されているのは、静岡や和歌山、高知といった太平洋に面した地域だ。発災後、猶予なく襲ってくる津波によって、人的にも物的にもとてつもない被害を引き起こすことは疑いがない。 だが、地震に備えなければいけないのは海に面した地域だけなのだろうか。 5月26日に山梨県が出した「山梨県地震被害想定調査結果」を見ていきたい。
「山梨県地震被害想定調査結果」
今回出された調査の前提として、想定しているのは「南海トラフを震源とする地震」「首都直下地震」「活断層による地震」のいずれかが発生した場合だ。そのなかでも、特に最悪の被害を想定し、このとき山梨県内でどのような状況が起こるかを調査している。 このうち、「南海トラフを震源とする地震」の場合を見ていこう。 まず建物の被害について。南海トラフ地震(東側ケース)の場合、倒壊する建物の多くは揺れによって被害を受けると想定されている。また、冬18時に発生した場合では、火災による全焼数も全要因の1割ほどを占めることになる。一方で、液状化や急傾斜地崩壊による被害は相対的に小さいとされる。 引き続き冬18時発生の場合を見ると、全壊件数が57006棟、半壊件数が57951棟とされている。やはり、特に揺れによる倒壊がそのほとんどを占める。 我々は巨大地震というと、東日本大震災の経験から大津波を思い浮かべがちだが、かならずしもそれは正しくない。津波の来ない地域であっても、揺れそのものによって大きな被害が出ることがありえるのである。