【写真：Getty Images】

　12月28日に開幕した第103回全国高校サッカー選手権大会。ここには、未来の日本サッカーを担っていくであろう逸材たちが数多く存在している。その中でもとくに注目すべきは誰なのか。今回は、公認スカウトの資格を持ち、数々の国際的な移籍に携わってきただけでなく、日本サッカーにも精通するイタリア人アドバイザーのフランチェスコ・ヴィッラ氏に、高校サッカー最強の逸材を選んでもらった。（選出・文：フランチェスコ・ヴィッラ、翻訳：佐藤徳和）

FW：佐藤耕太（さとう・こうた） 生年月日：2006年10月9日 所属：前橋育英（群馬） 　私は幸運にも自分の好きな仕事をしていますが、正直なところ、映像で試合を観ることは、時々退屈に感じることもあります。特に、何試合も立て続けに観る時にはその傾向が強くなります。 　そんなある日、長い一日の仕事を終えた後に、前橋育英高校の試合を観ることにしました。試合が始まって数分が経つと、一人のFWが私の目に留まりました。その選手は、短い時間のうちに、完全に私の目を覚まさせてくれました。これこそがスカウティングの魔法です。 　このような瞬間があるからこそ、努力してこの仕事に取り組む価値があるのだと思います。佐藤耕太は、まさにそのような魔法の瞬間を生み出すプレーヤーです。彼は万能型FWで、試合を観ているとますます魅了されます。エリア内、外のどちらでも優れたプレーを生み出し、チームメイトとの連携にも長けています。 　また、恵まれた体格としっかりした技術を兼備しています。試合が進むにつれて彼への期待が高まる中、佐藤は61分に豪快なヘディングシュートでゴールを決め、その期待に見事に応えてくれました。本当に魔法のような瞬間でした。