第94回選抜高校野球 京都国際に春 3度目は頂点(その2止) /京都
2021年に春夏通じて初の甲子園出場を果たしたセンバツ、並み居る強豪を破ってベスト4に輝いた夏の甲子園と大きく飛躍した京都国際。新チームで臨んだ秋の府大会も制し、近畿大会では甲子園優勝経験のある履正社(大阪3位)を打ち破るなど、その実力を確かなものにしてきた。 部員数は1年生19人、2年生22人の計41人。全員が寮で寝食を共にし、2人1部屋の相部屋で仲間との信頼関係を育んでいる。 すでに春夏と甲子園を経験した選手が多く、聖地で成長したメンバーがチームの主軸を担う。小牧憲継監督も「日本一になるにはどのくらいの力が必要なのか、選手たちは知ることができた。大舞台での経験が武器になっている」と語る。 攻守の中心となるのは、左腕の主戦・森下瑠大(りゅうだい)投手(2年)と、捕手を務める辻井心(じん)主将(2年)のバッテリーだ。森下投手は21年春のセンバツから主要な試合のほとんどで先発。秋の近畿大会では履正社を完封するなど、小牧監督も「絶対的エース」と評する。辻井主将は秋の府大会決勝で2点を追う八回、逆転の口火を切る長打を放つなど勝負強さが光る。チームの掲げる「終盤勝負」の起点として今春の聖地でも鍵を握りそうだ。 ……………………………………………………………………………………………………… ◆学校プロフィル ◇日韓英国際教育 1947年に京都朝鮮中として創立。58年に京都韓国中に改称し、63年に高校が併設された。2004年には学校教育法の「学校」(1条校)に認可され、京都国際中学・高校として開校。日韓英の多言語教育で国際人の育成を目指している。 硬式野球部は99年の創部。甲子園は21年春に初出場して初勝利も飾ったが、2回戦で逆転サヨナラ負けした。悔しさを胸に挑んだ同年夏の甲子園は初出場ながら準決勝にまで進んだ。 卒業生には、プロ野球・広島の曽根海成選手や日本ハムの上野響平選手、韓国のプロリーグで活躍する申成鉉選手らがいる。 京都市東山区今熊野本多山町1(075・525・3535)。