五輪で「性別騒動」の女子ボクサーに”睾丸”が見つかる…世界中で大論争を巻き起こしている!
世界中で巻き起こるボクシング「性別問題」
パリ・オリンピックで、男性染色体のXYを持つとされたことで大論争となった、女子ウェルター級金メダリストのイマネ・ケリフ(アルジェリア)が、10月下旬にプロ転向を表明。物議を醸す中、さらに「生物学的に男とする医療診断書が流出した」とインドのメディアが報じている。 【写真】性別騒動の渦中にいるケリフ選手 ケリフは自身のドキュメンタリー映画の製作を発表した10月20日の会見で、「私はもうすぐプロボクシングの世界に足を踏み入れます」と話したが、ボクシング業界は「染色体問題」、「性別問題」に決着がついていないままだ。 25歳のケリフはアマチュアの統括団体IBAが開催した世界選手権で、染色体検査の結果を理由に失格となっていたが、IBAが五輪運営のIOCから追放されている団体だったため、その判断がオリンピックには適用されなかった。 しかし、五輪初戦で対戦相手が泣き出すほどの衝撃のKO勝ちをしたケリフに対し、IBAが失格の過去を改めて発信。IOCはすかさず「パスポートの性別が基準」と反論したが、世界中で賛否が巻き起こった。 同様に染色体問題の渦中にあったリン・ユーチン(台湾)が金メダルを獲ったこともあり、生物学的な性差による肉体的な優位性が印象付いた。 世界中の著名人、ドナルド・トランプ、イーロン・マスク、J・K・ローリングらは、この問題を混同。「女を痛めつけることを楽しんでいる男」(ローリング)などと的外れな批判をして性的マイノリティへの嫌悪に利用していたが、染色体検査の結果が事実なら、スポーツの公平性、安全性が揺らぐのは事実だ。 IOCがいくら人権派を気取っても、スポーツ、とくに相手を傷つける格闘技では、対戦相手の安全性、競技の公平性の観点を無視すると競技自体が成り立たなくなる。 いまアマボクシング界では、IOCに代わる新団体「ワールド・ボクシング」が立ち上がり、日本を含む55カ国が加盟している。IOCへの加盟を目指しているため、染色体問題で対立したくないだろうが、いつかは見解を出さねばならなくなる。 また、プロ入りに関してもファンの間では「女子世界チャンピオンはケリフとの対戦を受け入れるのか?」、「男性との対戦なら見てみたい」などの意見が飛び交いつつ、各団体の対応に注目が集まっている。 プロ業界に力を持つ米英のコミッションは、この繊細な問題について明確な回答を避けているが、米・ニューヨーク州やイギリスのコミッションで働く人々に意見を聞いたところ、「まず正しい染色体の検査結果を入手しなければならない」と同じ意見があった。 つまり、「IBAだけが持つ検査結果では仮定の議論にしかならない」というわけだ。英国からは「問題に対処するなら、今後はライセンス取得時にDNA検査の必要性が出てくる」と言った。