レクサスLXに新開発3.5Lツインターボハイブリッドシステムを搭載したLX700hが新登場! 発売は年末以降の予定
レクサスは10月10日、LXの一部改良を実施するとともに、レクサス初となる新ハイブリッドシステムを搭載したLX700hを発表した。改良版のLXは年末以降、順次各地域で発売される予定だ。専用装備と内外装色によってアウトドアライフスタイルに寄り添う “OVERTRAIL”を追加設定 LXは「世界中のどんな道でも楽に・上質に」をコンセプトとして、世界中のあらゆる道での走行に耐えうる運動性能と、レクサスらしい上質な乗り心地を両立するフラッグシップSUV。現在では、世界約50カ国以上で様々なユーザーから愛されている。一方で、レクサスのラインアップ上、唯一電動車の設定が無いモデルでもあった。 このたび、レクサスは新グレードLX700hの導入にあたり、LXが代々培ってきた「信頼性」「耐久性」「悪路走破性」を電動化においても守り抜くことを第一とした、新しいパラレルハイブリッドシステムを開発。モータートルクを活かした、レクサスらしい走りの実現とともに、環境性能においては、車両使用時の年間CO2排出量をグローバルの全台数分でこれまで以上に低減している。 https://youtu.be/u9txomHxPsc 「信頼性」「耐久性」「悪路走破性」を守り抜く新開発ハイブリッドシステム https://youtu.be/rlCqrc0NtN4 新開発ハイブリッドシステムは、LXの「信頼性」「耐久性」「悪路走破性」を支える駆動系、フルタイム4WD、トランスファーLoレンジ、トルクコンバータ付ATを電動化においても維持すべく、3.5L V型6気筒ツインターボエンジンと10速ATの間に、クラッチを有するモータージェネレーター(以下MG)を配置した、パラレルハイブリッドシステムを採用。エンジン+モーターの高出力・大トルクを確実に路面に伝えるとともに、シチュエーションに応じてエンジンのみ・モーターのみへの走行の切替をハイブリッド制御システムが最適にコントロールする。 また従来のレクサス・パラレルハイブリッド車には装備されないオルタネーターとスターターを標準装備。万が一ハイブリッドシステムが停止した場合にもスターターでのエンジン始動が可能で、オルタネーターで発電した電力を12V補器バッテリーへ供給することでエンジンのみでの退避走行を可能とするレクサス初のシステムだ。退避走行中もトランスファーLoレンジの使用やアクティブハイトコントロール[AHC(※1)]による車高調整、A-TRAC(※2)の作動が可能となっており、悪路走破にも寄与する。 ※1:Active Height Control ※2:Active Traction Control ハイブリッドパワートレインの採用に伴い、GA-Fプラットフォームには手が入った。MGの追加によって重量が増加し、かつ全長が伸びたパワートレインを搭載するために専用のクロスメンバー(クロスメンバーNo.3)を新設、断面と板厚を最適化し薄型形状とすることでエンジンモデル同等の最低地上高を確保した。また、パワートレインの重量増に合わせて、リヤエンジンマウントの材質もより耐久性の高いものに変わっている。 さらに、リヤフロアへのハイブリッドメインバッテリー搭載に合わせ、スペアタイヤ位置変更のためにスペアタイヤクロスを新設、取付角度を最適化することで搭載位置を下げつつもデパーチャアングルを維持し、悪路走破性とサービス性を両立させた。合わせて、12V補器バッテリーの搭載位置をエンジンルーム内からリヤのデッキ横に変更、専用の金属トレイと脱着式のバッテリーブレースを設定し、交換のしやすさとリヤクォータまわりでのボディ剛性の向上を両立させている。 渡河性能はエンジン車と同等を確保した。リヤフロアに搭載したハイブリッドメインバッテリー本体を、上下に分割した防水トレイでパッキングする防水構造を採用したことにより、深水路等での水の侵入を防ぐことで、エンジン車同等の渡河性能700mmを確保。万が一防水トレイ内に水が浸入した際にはトレイ内に配置した被水センサが検知、メーター表示によるドライバーへの注意喚起を促す。 応答性の良いモーターのトルク特性と大排気量ツインターボエンジンの組合せは、低速においてはアクセル低開度からレスポンスの良いリニアな発進・加速を、アクセル踏み込み時や高速域においては大トルクを活かした力強く伸びのある加速を実現。レクサスらしい“対話のできる走り”が追求された。オフロードにおいてはトランスファーHiレンジに留まらず、Loレンジでのモーター駆動をレクサスとして初めて採用。マルチテレインセレクトの各モードと組合わせ、繊細なアクセル操作が要求される岩場やダート・深雪路等においてはモーターのみでの走行も一部可能とし、高い走破性とコントロールのしやすさを両立している。 給電機能としては、センターコンソール下に配置したACインバータ(防水構造付)により、1500Wまたは2400W(地域によって異なる)までの給電が可能だ。センターコンソール後部とデッキにコンセントを配置することで利便性も高めた。様々なアクティビティや災害時の非常用電源としても活用できる。 レクサス統一の走りの味、Lexus Driving Signatureの追求 レクサスでは全ラインナップで統一した走りの味、“Lexus Driving Signature”を追求する活動をモデルサイクルに関わらず絶え間なく実施し、「対話のできる走り」を目指している。新型LXにおいても、先行車におけるトライ&エラーや他のレクサス車で得られた知見、フレーム車ならではの要素技術改良などを織込み、トヨタテクニカルセンター下山(TTC-S)をはじめあらゆる路面での走り込みを実施。オンロード・オフロードを問わない、レクサスらしい走りを追求している。具体的には以下の3点が挙げられる。 1.剛性向上の取組み レクサスの他モデルで実践しているラジエータサポートまわりの剛性向上を、新型LXにも織り込んだ。ステアリング操作に対するリニアな反応を実現するとともに、補強部材をパッチ形状とすることでホイールアーティキュレーションを維持、悪路走破性を犠牲にすることなく操舵応答性を向上させた。また、インストルメントパネルリンフォースメントについても、ステアリング支持剛性向上のためのブラケット追加や既存ブラケット板厚変更を実施、ステアフィールと操縦安定性を向上させている。 2.新構造のキャブマウントクッション フレームにボディをマウントするためのキャブマウントクッションについても構造を刷新、フレームとボディがこじる動きをする際の結合剛性を向上させることで、フレーム車特有のブルブルとした低周波の振動をより一層低減、フレーム車の利点である高い堅牢性やロードノイズ遮音性はそのままに、すっきりとした乗り心地を実現している。 3.AVSの進化 AVSアクチュエータ部のバルブ構造を見直し、路面の段差通過などでアブソーバーが急に縮む際の減衰力を滑らかにコントロールすることで、突き上げ感を抑えた滑らかな乗り心地を実現。トランスファーLoレンジにおいても、極低速から車両が停止する際の減衰力コントロールを改善、余分な車両の動きを抑え、悪路における安心感と上質さを高めた。 装備・機能もより一層楽に、上質にドライブするために進化 ハイブリッドモデルの導入に合わせて、エンジンモデルを含め、機能・装備のさらなる向上を果たしたのもニュース。具体的には以下が挙げられる。 1.12.3インチ大型フル液晶メーターの採用 ドライバーが運転に集中できるよう、運転支援情報をわかりやすく表示可能。LX伝統の補器バッテリー電圧とエンジン油圧計はもちろんのこと、画面カスタマイズにより、ブーストメーターの表示やハイブリッドバッテリー充電状態(※ハイブリッドモデルのみ)の表示も選択できる。ドライブモードセレクトやマルチテレインセレクトの、モード切替時の車両アニメーション表示も一新した。 2.エレクトロシフトマチックの採用(ハイブリッドモデルのみ) レクサス・オフロード4WD車として初めてのエレクトロシフトマチック採用に際し、“揉み出し”のような悪路走行特有の操作時における操作のしやすさ・握り易さをオフロードのTAKUMI監修のもと追求、心地の良い触感と高い操作性を両立するLX専用のシフトノブを新たに採用。エレクトロシフトマチックの採用と合わせて、アドバンストパークのスイッチもセンターコンソール上面の視認しやすい位置に配置された。 3.フロント席リフレッシュシートの採用(EXECUTIVEは運転席) フロントシート乗員の疲労軽減の一助とすべく、エアブラダー(空気袋)方式のリフレッシュシートを新たに採用。センターディスプレイ内のスイッチから、機能のオン・オフならびに全身2コース・部位別3コースの全5コースが選択可能で、強度も5段階に設定できる。 4.「置くだけ充電」の進化 センターコンソール上面の「置くだけ充電」の世代を更新。急速充電に対応するとともに、従来型ではリヤセンターコンソールのみだったEXECUTIVEについて、フロントセンターコンソールにも設定を追加、車内でのスマートフォン充電ニーズ拡大に対応している。 『レクサスセイフティシステム+』のアップデートによる予防安全機能の刷新 新しいLXには最新の『レクサスセイフティシステム+』が採用された。運転の状況に応じたリスクの先読みし、信号交差点に対する右左折時の減速支援や、車線内走行時には常時操舵アシストを行なうプロアクティブドライビングアシスト(PDA)をはじめ、プリクラッシュセーフティ(PCS)、レーダークルーズコントロール(全車速追求機能付)、レーンディパーチャーアラート(LDA)、ドライバー異常時対応システムといった機能が備わっている。 さらに高度運転支援技術『レクサスチームメイト』では、一定条件を満たせばハンズオフ走行が可能なアドバンストドライブ(渋滞時支援)を採用。さらにハイブリッド車にはアドバンストパークの並列駐車時の機能が拡大し、バック駐車に加えて前向き駐車にも対応し、車内からの操作で前向き/バック出庫が可能となった。 専用装備と内外装色を採用した“OVERTRAIL”を追加設定 レクサスはカーボンニュートラル社会や、「人と自然とモビリティの共生」の実現を目指し、カスタマーの幅広いアウトドアライフスタイルに寄り添う『LEXUS OVERTRAIL PROJECT』に取り組んでいる。この思想に基づき、今回の一部改良を機に、専用装備と内外装色を施した“OVERTRAIL”が追加設定された。 エクステリアデザインは、専用の黒光輝塗装スピンドルグリルとマットグレー塗装アルミホイールをはじめ、各部品(フォグランプ、ルーフレール、ウィンドウモール、ホイールアーチモール、ドアハンドル、アウターミラー、リヤバンパーサイドメッキモール)を黒・ダーク系色でコーディネイト。過酷な環境にも耐える“プロフェッショナルツール”が表現された。 ボディカラーは、ソリッドのような色彩を持ちながら、メタリックの陰影により立体感を際立たせ、レクサスらしい上質さを感じさせるムーンデザートを“OVERTRAIL”専用色として設定。全6色をラインナップ。 内装色では“OVERTRAIL”モノリスを設定。シート表皮のメイン部分とドアトリムに低彩度のモノリスを組み合わせ、アッシュバール墨ブラックのオーナメント加飾をコーディネイトし、レクサスらしい上質なオフロードシーンを演出する。 “OVERTRAIL”専用装備としては、LXに全車標準装備となるセンターデフロックに加えて、フロント・リヤのディファレンシャルロックを設定。車輪がスタックした場合などに、必要に応じてディファレンシャルをロックすることで脱出性能を高める。 LXでは初の設定となるオールテレーンタイヤの採用もトピック。オフロード性能とオンロード性能を高次元でバランスさせた、レクサス・フレーム車向け専用開発タイヤだ。サイズは265/70R18で、サイドウォールには泥濘路などでの脱出性向上とタフなイメージを両立したトレッドパターンを採用、ショルダー形状の工夫により風流れをコントロールすることで、燃費性能にも配慮されている。 タイヤはこのほか、265/65R18サイズの専用M+S(マット&スノー)タイヤも設定。悪路での路面追随性を向上させる、扁平率の高い18インチ専用タイヤを設定。ロードノイズにも配慮しトレッドパターンや構造を最適化、オンロードでの優れた操安・乗り心地性能とオフロード性能を両立している。なお、装着タイヤは発売される地域(市場)によって種類が異なる。
MotorFan編集部