米不動産サービス大手クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド（Ｃ＆Ｗ）が発表した中国の消費動向調査によると、約４人に３人は買い物をするときに同類の商品の価格比較を「頻繁に行う」と答えた。中国の消費者が価格に敏感になっていることが見て取れる。 　約４人に１人は「まあまあ行う」と回答した。「たまに行う」は数％のみで、「行ったことがない」と答えた人はいなかった。 　Ｃ＆Ｗは、中国の消費者がハイブランドを積極的に購入する時代は終わったと指摘。コストパフォーマンスなどを冷静に比較して購入商品を決めるようになったとの見方を示した。 　■都市部住民のモノ消費が低迷 　中国人の消費は新型コロナウイルス流行以後に理性的になった。新型コロナが最初に流行した2020年以降、経済見通しが不透明になっており、消費者が財布のひもを締める傾向にある。 　この傾向は都市部住民のモノ消費で顕著。Ｃ＆Ｗは、商品ごとに24年の消費額が19年に比べどれだけ変化したかを「５％以上増加」「５％未満の増加または５％未満の減少」「５％以上減少」の三つの選択肢を用意して尋ねた。 　大都市が属する１～２級都市の住民の回答結果を見ると、「日用品」「家電家具」で「５％以上減少」が「５％以上増加」を大きく上回った。「食品飲料」は約９割が「５％未満の増加または５％未満の減少」だった。 　一方、サービス消費は堅調で、「旅行」と「子どもの教育」は「５％以上増加」と「５％未満の増加または５％未満の減少」がおよそ50％ずつ。「５％以上減少」と答えた人はいなかった。 　Ｃ＆Ｗは商業不動産市場の動向を把握するため、しばしば消費動向調査を手がける。今回の調査は、23年12月～24年４月に3,866人に対して行った。