オールカマーを制したレーベンスティール＝９月22日、中山競馬場（奈良武撮影）

今週の天皇賞（秋）で人気を集めているレーベンスティールは、3走前の新潟大賞典で11着に大敗している。 好位に付けていったものの、最終コーナーを回ってからの反応が鈍く、押せどたたけど、先を行く馬との差が詰まらなかった。勝ち馬から1秒0差の完敗だった。 GⅢの新潟大賞典でふた桁着順の大敗を喫したことのある馬を、GⅠの天皇賞（秋）でそんなに信用していいものだろうかという声があるのは当然のところかもしれない。 以下は、今週の天皇賞（秋）に臨むレーベンスティールの前3走である。 5月5日　新潟大賞典 GⅢ　11着 6月9日　エプソムC GⅢ　1着 9月22日　オールカマー　GⅡ　1着 こんなふうに、「前3走内に、GⅠ以外でふた桁着順に敗れた戦歴のある馬」が、これまで天皇賞（秋）でどんな成績を残しているかというと－。 これが、びっくりするくらい悪いのである。 グレード制がスタートした1984年以降、このタイプは天皇賞（秋）にのべ99頭出走しているのだが、そのレース結果は、【1・0・1・97】（数字は左から1、2、3着、着外の数）と、たった1頭しか連対した例がない。その1頭というのは、2005年の天皇賞（秋）を制したヘヴンリーロマンスで、以下が同馬の前3走である。 4月24日　福島牝馬S GⅢ　10着 8月14日　クイーンS GⅢ　2着 8月21日　札幌記念 GⅡ　1着 「この福島牝馬Sの10着というのは、初コースがこたえたもの。レーベンスティールの新潟大賞典11着も、初コースがこたえたものだから、気にする必要はないと思う」とレーベンスティール党は言う。たしかに同馬は、地元関東の東京、中山では【5・2・0・0】と一度も連を外したことがない。 レーベンスティールを買わない穴党は、「ふた桁着順ありは過信禁物」と力説する。はたして結果やいかに。楽しみな大一番だ。（競馬コラムニスト）