【フットサル日本代表】“フットサルの申し子”が小学生から夢見た舞台で示す覚悟「みんなとは違う自分らしさを出して、ここで終わらないように」(南雲颯太/立川アスレティックFC)
9月13日、高橋健介監督が就任してから初めての活動がスタートした。代表チームは13日のみ国内でトレーニングを行い、14日からキルギスへ移動。同国代表と2試合の国際親善試合を戦う。 【映像】新生・日本代表“健介ジャパン”初日トレーニングの様子 顔ぶれも変わった代表チームで、初の代表入りを叶えたのが立川アスレティックFCの南雲颯太。 中高生までサッカーをプレーし、競技転向を経てFリーガーになる選手も少なくないなか、南雲はフットサル一筋でトップリーグまで登り詰めた。 小学生年代から、期待の星として注目されて来た“フットサルの申し子”は、夢見た代表の舞台でどんな色を見せてくれるのか。 “健介ジャパン”の最初のトレーニングセッションを終えた南雲に話を聞いた。
相手を見て選択できることが持ち味
──代表初招集おめでとうございます。初めての練習を終えていかがでしたか? 本当にすごい場所に来たな、という感じです(笑)。みんなすごくうまいですし、それぞれ特徴がある。今日はとにかく厳しくディフェンスにいかないとダメだなと感じました。 ──どんなところがすごいと感じたんですか? ボールの持ち方や運び方、パスの一つひとつの技術がみんなすごく高いですし、守備をしていて嫌な動きをしてくる選手が多いと感じました。一瞬も気を抜けない。ちょっとでも油断をしたらやられてしまう場所だと感じました。 ──強度はもっと上がっていくと思います。もっとやれる、通用しているなど、どんな感覚ですか? やはり、評価してもらってこの場所に選んでもらったので、そこは自信をもってやりたいと思っています。少しずつ頭の中を整理して、自分の良さを出していければなとは思います。 ──高橋健介監督からは、どんなことを求められていますか? まだ詳しく話しているわけではないのですが、先ほどのミーティングでは、相手の状況を見て自分からアクションをしていこう、と。そこで言えば、相手を見て選択できることが僕の持ち味でもあると思うので、フットサルらしい動きなどで良さを出していけたらいいなと思います。 ──高橋監督との付き合いは長いですよね。 はい。高校3年生の時にスペイン遠征に連れて行ってもらったり、小さい頃から見てもらっていました。 ──フットボウズ時代に、健介さんが始めたRAD Futsal Project(ラッドフットサルプロジェクト)の活動で一緒に行った。 そうです。健介さんも浦安にいた時で(石田)健太郎くんも一緒でした。将来を見据えて呼んでくれたのかなと思います。 ミーティングの内容を聞いていても、僕が理想とすることを健介さんも話しています。言っていることはスッと入ってきます。とはいえ、頭で理解していてもプレーするのは別ですから、どのように表現していくかをもっと頑張らないといけないなと感じています。 ──理想とするプレーとは具体的にどのような部分でしょうか? フットサルらしい細かい動きなども見てくれていると思います。味方が顔を上げているならフェイクしていい状態で受けられるように動いたり、逆に、味方がプレスを受けて厳しい状況であればスッと動いてパスを受けたり。 ──南雲選手「らしさ」とはどんなところですか? 誰と一緒に出ても周りを生かしたり、セット内でしっかりとボールを保持して前進したり、組み立てたりするところ。そうしたつなぎ役となって、最後は自分がゴールを決める意識ももちろんあります。ただし、セットの中でプレーして、監督の求めるプレーをできるようにみんなと協力していく、というところですね。 ──代表初招集にあたって、周囲からはどんな声がありましたか? チームメートにも「やっとだね」と言ってもらえました。チームがあっての自分ですから、ここに送り出してもらえたので、代表チームで結果を残すしかないと思っています。 ──他にはどんなリアクションが? 「おめでとう」って。いろんな方に支えてきてもらいました。フットボウズの豊田(幸夫)監督にも報告しましたけど、「頑張ってこいよ、おめでとう」って。それに、「フットサル人生で一番うれしいニュースだ」と言ってもらえました。本当にみんなに喜んでもらえたうれしさと身が引き締まる思いです。 ──個人的にもこの招集はうれしい思いがあります。豊田監督にこの選手が素晴らしいよと教えてもらって、実際にプレーを見たのが小学校6年生の時でした。 そこからフットサル一本でやってきましたからね。 ──アンダーカテゴリーでは代表に呼ばれてきていません。能力を評価されながらもなかなか食い込めていなかったなかで、ようやくこの舞台に辿り着きました。 そうですね。一歩目のチャンスだと思っています。 ──あの当時は「リカルジーニョを目指す」と話していましたけど今はどうですか? そうですね(笑)。プレースタイルは違いますけど、プレーで魅せる、お客さんを楽しませるプレーはしたいですし、ピッチで輝ける存在になりたいです。 ──ここから定着して、アジアカップ、ワールドカップとつなげるためにはアピールしないといけない。このキルギス遠征への意気込みはどうですか? 僕はキルギスには行ったことも、対戦したこともないですし、慣れない部分も多いと思います。ただせっかく選ばれたのでこれで終わらないように、なにかみんなとは違う自分らしさを少しずつでも出せたらと思います。