緒形直人 青年座の先輩・西田敏行さんは“俳優の神様”「この人の近くにいたいと…」
■青年座の先輩・西田敏行さんは「俳優の神様」
1990年、緒形さんは大河ドラマ「翔ぶが如く」に出演。西田敏行さん演じる西郷隆盛の弟・西郷従道役を演じた。 ――「翔ぶが如く」では劇団(青年座)の先輩で、一時期事務所も同じだった西田敏行さんと共演されました 「はい。西田さんとは何作もご一緒させていただきました。何をやってもすごいし、俳優をやるために生まれてきたような人ですから天職を全うされて…。あの方には何をやっても絶対に追いつけないという感じで、いつも見ていました。『天才』としか言いようがないです」 ――西田さんのことで一番印象に残っていることは何ですか 「全部ですね。『翔ぶが如く』を撮っている時に、僕は『予備校ブギ』(TBS系)と『東京湾ブルース』(テレビ朝日系)という二つのドラマの主役をやっていて、ほんのちょっとだけスケジュールが重なっていたんですよ。 3本が重なっていた時には、もう頭の中がおかしくなりそうになっていたんです。そこに『笑っていいとも!』(フジテレビ系)のテレフォンショッキングに出ることになったりして…。 本当に頭がグチャグチャになっていた時に『翔ぶが如く』で西田(敏行)さんとの2人のシーンがあって。その時に僕はセリフが全然頭に入らなくて、自分が何をやっているのか、わけがわからなくなっちゃったんです。 とにかく頭の中がグチャグチャの状況で、西田さんと2人のシーンで僕が2回ぐらいNGを出したんです。『ごめんなさい西田さん、ごめんなさい。もう1回やらせてください』ってお願いしてやった時に、西田さんはもう全てわかっている方なんですよね。 僕がどうやったって、どうとでも返してくれるんです。あの人は、その時からもう僕の中では『俳優の神様』ですよ。果たして自分は、この先いつか西田さんのようにできるようになるんだろうかって、その時にも思いましたね。全てが敵わない。 この人の近くにいて、この人の作品を見続けていたら何かヒントになるんじゃないかなって思って、あとを追いかけていった感じがありますね。この人の近くにいたら何かプラスになるものがきっとあるんじゃないかなって」 ――本当に唯一無二の存在でしたね 「そうですね。喜劇も2枚目風も、バシッとやるところがまたチャーミングでステキで…。本当にすごい人です」