日経平均は寄り付き直後1,900円安の暴落:米株はスイートスポットの局面を終える
急速な円高・株安は日銀追加利上げの制約に
米国の経済指標は、現時点では米国経済の失速を裏付けるほど弱くはないことから、1日の米国株の下落、2日の日本株の下落は、やや行き過ぎの感もあり、目先は値を戻すこともあるだろう。しかし、米国株が「スイートスポット」の局面を終え、米国経済の先行きに懸念を強め始めたとすれば、米国株、日本株の不安定な動きは今後も続くだろう。2日に発表される7月分米雇用統計への注目度が著しく高まっている。 筆者は、日本銀行は今年12月に政策金利を0.5%程度に、来年4月に0.75%程度に引き上げると予想している。今後、米国経済の悪化、日米株価の大幅下落、急速な円高の進展があれば、日本銀行の利上げは後ずれすることが考えられる。しかし、現時点ではその判断は早計だろう。 また前稿では、緩やかな円高は日本経済にプラスと書いたが、年間20円といった急速なペースの円高は日本経済にマイナスである。 木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト) --- この記事は、NRIウェブサイトの【木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】(https://www.nri.com/jp/knowledge/blog)に掲載されたものです。
木内 登英