時間がない朝にこそするべき断捨離とは。やましたひでこさんが伝授!歯磨きや靴を履くついで…軽やかな気分で1日を過ごすために、出かける前にできること
◆飛ぶ鳥跡を濁さず この「制限の効用」について、もう少しお話しさせてください。 たとえば、家じゅうにモノが溢れかえっている人が、「マイペースに自分なりに断捨離します」と言っていることがあります。 この調子ではいつまで経っても片づきません。「あなたのペースでやっていたら200年経ってもこのままですよ」と申し上げたくなる家も。現状認識が甘いのです。「ごめんなさい、少し負荷をかけますね」と言って進めていきます。 少し負荷をかけることは悪いことではありません。人間は怠けるようにできていますからね。 私たちは怠けるために生まれてきたのでなく、いろいろなことを経験し成長するために生まれてきたという立ち位置に立ったら、やはり負荷は必要です。これを「刺激」ともいいます。 朝の短時間、ちょっとがんばって断捨離したことで、帰ってきたときの気分が全く違います。気持ちよく帰路につくことができ、出かけた先での気分も軽やかでいられます。 私は「立つ鳥跡を濁さず」ならぬ、「飛ぶ鳥跡を濁さず」をモットーにしています。旅立つのではなく、いったん飛び立って巣に戻ってくる。 さあ、美しい巣をつくるために、一緒に始めましょう。
◆出かける前にゴミ捨て1か所 ゴミ袋は7割で閉じる 私が「出かける前にする断捨離」の筆頭はゴミ捨てです。帰ってきたときの部屋の状態を想像すると、ゴミを放置してはおけません。 ゴミ出しにも、燃えるゴミ、燃えないゴミ、資源ゴミ、粗大ゴミといろいろあります。わが家のマンションには24時間ゴミ出し可能のゴミ置き場があるので、出がけに置いてくることができます。ありがたいことですね。 私は紙袋をゴミ箱として使用しています。キッチンには大きめの紙袋を、洗面台には小さめの紙袋をセットします。そこにポリ袋をかぶせて、ゴミが出たら頻繁に交換。紙袋が汚れたりよれたりしたら、そのものをゴミに出します。 ゴミが溜まったポリ袋は大きなゴミ袋にまとめます。「ゴミ袋が満タンになったらゴミ出しする」というポリシーの人もいますが、私はこれを推奨しません。満タンになったら洗濯機を回す、満タンになったら食洗機を回すのも同様に、この発想を「満タン思考」といいます。 満タンになったら……と考えていると「まとめ家事」をすることになり、作業が大ごとになります。また、満タンになるまでに時間が経過するため、ニオイのもとになることも。さらに満タンになっていることで「もうこれ以上入らない」という取りこぼし、積み残しも発生します。 満タン思考は、つまり節約思考でもあります。お金に換算して、電気代・水道代、あるいはゴミ袋1枚の節約になると考えているのです。その年間1万円を節約するためにどれだけのストレスが生じているのでしょうか。それを考えたら、この1万円を使ったほうが俄然、気持ちよく暮らせます。 私はゴミ袋が7割ほど埋まったら、袋の口を縛ります。すると、運ぶときに重すぎず、持ち手にも余裕があり、回収業者さんも扱いやすくなります。