宇宙×エンタメが宇宙を身近にし、次代へつなぐ【SENSORS】
何百年、何千年もの間、人類を魅了し続けてきた、宇宙。いまだ多くの謎が残るものの、近年の目覚ましい宇宙ビジネスの発達により、宇宙は私たちにとって身近なものとなりつつある。 宇宙からのデータは、すでに私たちの暮らしを守り、豊かにしている。さらなる活用を進めるには、より一層、宇宙を身近にし、さまざまな人が関わる“民主化”を目指し、みんなで考えていくことが重要だ。そのために、“エンタテイメントやメディアの力が欠かせない”と考える宇宙の専門家に、日本テレビのアナウンス部と宇宙ビジネス事務局とで兼務する、宇宙アナウンサー浦野モモが話を聞いた。
■宇宙を身近にする、エンタメの力
ソニーグループ株式会社で宇宙エンタテインメント推進室 室長を務める中西吉洋さんは、宇宙の民主化において、エンタメが大きく寄与すると考えている。 「1960年代、インターネットと同じぐらいのときから宇宙産業ってあるんです。でも、宇宙はまだ民主化できていません。宇宙って遠いものじゃないんだよと、もっと伝えたいですね。だって、地球も宇宙の一部で、ここも宇宙なんですよ。それに気づいてもらえるような番組を作ったり、『宇宙人ってどんな生物なんだろう』『人間と会話したらどうなるんだろう』と想像するような番組を作るのもいいですよね。そんな、日本らしい感受性を起点にした発想のコンテンツを作りたいですね」
弁護士で一般社団法人スペースポートジャパン設立理事の新谷美保子さんは、ロケット打ち上げ自体をコンテンツにするのはどうかと考える。 「打ち上げを見て人生観が変わったという人たちの体験談をよく聞きます。特に大型のロケットは、現場にいるとおなかに振動が響くのですが、あの体感は忘れられません。なぜあんなに感動するのか不思議です。生まれた瞬間からずっとかかっている重力に逆らっていく人類の英知みたいなものを感じるからかもしれませんし、何年もかけてみんなが作り上げたものが遥か遠くへ行くという感動かもしれません。多くの人に見に行ってほしいですね」