祝受賞!直木賞作家・一穂ミチさんが「会社員を辞めない理由」|VERY
<直木賞受賞直後、単行本にサインをする一穂さん> ──VERYの読者は30代前後。一穂さんご自身は30代のころ、「直木賞を受賞した今も兼業を続けている」という十数年後のいまの自分を想像できましたか?30代を振り返って思うことはありますか? ……この状況は全く想像していませんでした。30代半ばって、肉体的な衰えや健康不安が目につくようになり、仕事や人生に不安を抱く時期でもあると思いますが、目覚ましい成果は感じられなくても、こつこつ積み上げたもののリターンが必ず待っているから、日々が投資だと自分自身を信じてほしいですね。 <PROFILE> ■一穂ミチ(いちほ・みち)さん 大阪府在住。2007年『雪よ林檎の香のごとく』でデビュー。劇場版アニメ化もされた『イエスかノーか半分か』などBL作品を中心に執筆する。21年、一般文芸作品としては自身初となる単行本『スモールワールズ』で、吉川英治文学新人賞を受賞。同作と22年『光のとこにいてね』がともに本屋大賞第3位、直木賞候補作に選ばれた後、24年『ツミデミック』で第171回直木賞を受賞。 構成・文/樋口可奈子