モンテッソーリは受験のためのエリート教育? 専門の園が必須? 専門家が伝えたい「本当のこと」
家庭でモンテッソーリ教育を行う際の注意点は?
――家庭でモンテッソーリ教育を取り入れる際に、親が気をつけるべきことやしない方がいいことはありますか。 親御さんはストレスが多く忙しいと思うので、家事に子どもを招くことは面倒だと感じるかもしれません。時間がかかったり汚れたりすることを考えると、無理だと思うこともあるでしょう。 そんな時は、余裕のある日に子どもを巻き込むくらいの気持ちでいいと思います。大切なのは、汚れるのは当たり前、時間がかかるのも仕方ないと割り切ることです。できるときに、子どもが自分でチャレンジする機会を与えることが大事ですね。 一方で、モンテッソーリの理念では賞罰は避けた方がいいです。例えば、お手伝いができたからご褒美をあげるようなことは避けましょう。最初は内発的動機で手伝いをしていたのに、だんだんご褒美目当てに変わってしまうことがあるからです。
「すごい」の言葉を使わないほうがいい理由
――子どもをほめる際のコツはありますか。褒め言葉を具体的に見つけるのが難しいと感じています。 子どもの行動をよく見て、気づいたことをそのまま言葉にするだけでいいと思います。「上手」とか「すごい」といった抽象的な言葉である必要はありません。 子どもが工夫したことや、いつもと違うことに挑戦したことなどを具体的に伝えるだけで十分です。褒めることが目的ではなく、子どものことをしっかり見ていることを伝えることが大切だと思います。 ――子どもをほめる際に気をつけることは何かありますか。 子どもへの褒め方で気をつけたいのは、安易に「すごい」と言い過ぎないことです。「すごい」といういわゆるおざなり褒めは、子どもが何に対してほめられているのかわからず、ただ漠然と褒められることに依存してしまうことがあります。 また、「すごい子」とレッテルを貼られることで、そうでない時に自分に自信が持てなくなってしまう可能性があります。 子どもの特定の性質や性格に焦点を当てて褒めることも、子どもにとって大きなプレッシャーになります。むしろ子どものその時々の行動を具体的に褒めることが大切だと考えています。