【ラグビー】イングランド代表と経験値の差は歴然も、エディーHC「言い訳なし」。
6月20日、2日後にイングランド代表と対戦する日本代表のメンバーが発表された。 2027年のワールドカップ・オーストリア大会に向け、ジャパンのラインナップは大幅な若返りを見せている。 23人の総キャップ数の差は歴然で、イングランド代表は合計753キャップを誇るのに対し、日本代表のキャップ数はわずか259。そのうちの84キャップは、リーチ マイケル主将ひとりで稼いだものだ。 そうした現状にも、エディー・ジョーンズHCは記者会見で「イイワケナシ(言い訳なし)」と答えた。 「われわれは日本のラグビーを変えなければならないという強い信念のもと、今回のラグビーをスタートしています。確かに若いプレーヤーが多いですが、現状いる選手の中でベストのプレイヤーを選出しています」 ノンキャップの選手が8人(先発4人、リザーブ4人)も名を連ねた。 15番には、早大2年の矢崎由高が練習生から抜擢された。 エディーHCは矢崎について、「パシフィック・チャレンジを見た中で、非常に素晴らしいプレーヤーということは重々承知していましたが、宮崎合宿ではトレーニングごとに成長していた。なので彼の選出はそれほど難しい判断ではありませんでした。若い選手をメンバーに入れる際は、メンタリティーがまだ未熟ではないかという問題はもちろん上がるかと思いますが、これまでの練習の様子を見ていても、彼本人はそういったプレッシャーにも耐えうる選手であると判断しました」。 フロントローも若い。 左PRは今季のリーグワンからコンバート(3番→1番)した24歳の茂原隆由、HOは今季のベストフィフティーンに選ばれた25歳の原田衛、そして右PRには第1列では唯一代表キャップ(3キャップ)を持つ竹内柊平が選出された。 エディーHCはいう。 「10日間の宮崎キャンプを通して、非常にハードワークを通じ続けてきたプレーヤーたちです。また、われわれには非常に素晴らしいコーチ陣が揃っています。ニール・ハットリーがコーチング・コーディネーターとしてFWをまとめ、まだ引退してから4週間ほどしか経っていないオーウェン・フランクスがフロントローの指導にあたっている。選手たちは彼らの専門性や知識を吸収するように学んでいく日々が続いています」 対するイングランド代表の最前列には、90キャップのHOジェイミー・ジョージ主将、右PRには112キャップのダン・コールが並ぶ。世界トップクラスの経験値を誇る。 「100キャップを超えるダンに、われわれはスクラムを組んできた数では当然勝てません。ジョーも非常に手ごわいプレイヤーです。ですが、若いプレーヤーが自身のスクラムを良くしていくためには、自分たちよりも強いプレーヤーとスクラムを組む、これしか道はありません。こうした形で非常に若いプレーヤーたちが経験を積むことが、今後の日本のラグビーを作っていく。われわれはまだプロジェクトの一部を始めたばかりです」 先発SOは23歳の李承信が務める。ワールドカップ2023フランス大会を経験した10番は、代表キャップ11を持つ。 エディーHCは「李の1年前、2年前の姿を覚えてい」と話し、「非常に10番として申し分のない動き方をする選手と感じていました。その後はプレー(の成長曲線)が横ばいとなってしまい、ワールドカップでの活躍ぶりを見ることはできませんでしたが、菅平の合宿で10日間、宮崎の合宿でも10日間、この20日間を経て、素晴らしい成長を遂げております。今回の試合が大きな一歩となると信じています。松田力也は非常に安心感のある良いプレーヤーだと認識していますが、李は少し違ったクオリティでのプレーができる。そこはわれわれのアタックに非常に有益と感じています」と続けた。 「イングランド戦を心から楽しみにしています。もちろん手ごわい相手であり、ワールドカップでトップ4のチームだということは重々承知しています。われわれにとっては自分たちの現状を確認できるこれ以上の機会です。最後の瞬間までイングランドを追い詰めて接戦に持ち込みたいし、さまざまな局面で勝つことができれば、最終的にはゲームの勝利に導くことができると思っています。例え勝つことができなかったとしても、次の試合に向けた修正点が明確になると思います」と話し、会見を締めた。