専業主婦が年金を「月10万円」以上もらいたい場合、60歳までどれだけ働く必要がありますか? 30歳で結婚するまで「年収300万円」で働いていました
学校を卒業した後に働いていたものの、結婚を機に仕事を辞めたという人も多いでしょう。そして、老後に受け取れる年金受給額が思ったより少ない場合、再度働くことを検討する人もいるでしょう。 本記事では、「20歳から30歳までは会社員として年収300万円で働き、その後は専業主婦だった人がもらえる年金受給額が10万円に達するのか、達しない場合はどれくらい働けば良いのか」について解説します。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
日本の年金制度は2階建て
日本の年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2階建てです。専業主婦は「国民年金」のみに、会社員は「国民年金」と「厚生年金」の両方に加入しています。そして、老後には国民年金の加入者は老齢基礎年金が、厚生年金の加入者は老齢厚生年金が受け取れます。
老齢基礎年金と老齢厚生年金はいくらもらえるのか
将来受け取れる老齢基礎年金の金額は、受給資格期間などの「要件を満たしているかどうか」で決まり、2024年度の満額は年間81万6000円です。 老齢厚生年金の金額はいくつかの要素で決まりますが、今回はメインの「報酬比例部分」について見ていきます。「報酬比例部分」の計算で求められる、年間の年金受給額は次のとおりです。 ・報酬比例部分=平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の厚生年金加入月数
30歳まで年収300万円、その後専業主婦だった場合の年金額
30歳まで会社員として年収300万円、その後は専業主婦だった場合に受け取れる年金額を計算していきましょう。 まず老齢基礎年金ですが、今回の場合は満額の81万6000円を受け取れるとします。続いて老齢厚生年金の「報酬比例部分」ですが、20歳から30歳までの10年間働き、その間の平均年収が300万円の場合、平均標準報酬額は26万円、厚生年金加入月数は120ヶ月です。そのため、計算式で算出できる報酬比例部分の金額は17万1007円です。 今回のケースでは、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせると98万7007円ですが、月額にすると8万2251円ですので、10万円には届きません。