たまごは「1日1個まで」はもう古い…1日3個食べると発症リスクが激減する「病気の名前」
たまごの栄養価は医師たちのお墨付き
「たまごは栄養豊富なんて知っている」と思うかもしれませんが、先日、テレビ朝日系列の「林修の今知りたいでしょ!」のスペシャル番組「国民の朝メシを大調査!『医師52人が選ぶ最強の朝メシBEST10』」にスタジオ出演しました。その堂々の第1位は、ほかでもない「たまご」。その栄養価は、まさに医師たちのお墨付きというわけです。 肉や魚と比べたら調理が手軽で、栄養価は負けず劣らず高い、たまごは重宝です。 朝食の中心はたまご! 毎朝いろいろ工夫して食べています。まさに僕の元気の秘訣でしょう。 たまごなら、忙しい人でも、ずぼらさんでも、簡単におかずに採り入れることができます。 ゆでたまごは作り置きできますし、目玉焼きも1分でできます。「たん活」にこれほど役立つ食材はほかにありませんね。 僕は、普段の買い物で手に入れやすく、お財布にもやさしく、保存や加工がしやすい点から、改めて「たまごの栄養価」を見直してみて、中高年の健康づくりに役立つ栄養素が豊富なことに感心しています。 何と言ってもたまごは、人の体内ではつくることができない、全9種の必須アミノ酸を基準より多く含む「アミノ酸スコア100」の食品。それは、「理想的なたんぱく質」の証です。
たまごを控える必要はない
ところが、たまごは長い間、言わば汚名を着せられて、「1日1個までに」「食べすぎに気をつけよう」と敬遠されているようです。そう、たまごはコレステロールを多く含むから、僕のように一度に4個も食べるのはよくないと信じられていることが多いのです。 しかしこれは古い常識で、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」においても2015年から「コレステロールの摂取制限」はなくなっています。 とあるイタリアの研究では、高血圧と脂肪肝の両方、またはいずれかを発症した人が、1週間のうちどのくらいたまごを食べていたかを調査したそうです。 その結果は、たまご2個以下の人を1とすると、たまごを週に3個食べていた人の高血圧の発症リスクが0.21に、脂肪肝のリスクが0.73、両方の発症リスクが0.34になったとのこと。日本とは離れたイタリアの論文ですが、たまごを食べることは、健康効果こそあれ、たまごを控える必要はないといえると思います。 正しい知識をアップデートして、健康的な食習慣を定着させていただきたいと願います。何らかの病気で治療中の方は、栄養についても主治医の指示に従ってください。
鎌田 實(諏訪中央病院名誉会長)