チームを強くするのに厳しさ必要? 女子バレー・石川真佑ら輩出した指導者語る“スポーツの本当の面白さ”【佐藤梨那アナ取材】
■過去には厳しい指導も “選手の力発揮できる”考え方に
指導者の価値観を押し付けるのではなく、選手自身で考える大切さを伝え、選手の主体性を育んできた小川さん。しかし、かつては厳しく生徒を指導していた時期もあったといいます。 小川 「当時は勝っているチームって相当厳しかったですから、先輩諸氏からも“お前甘いんだよ”とよく言われていました。厳しくできるかできないかが強いチームを作れるかどうかの分かれ目なんだ、ということを盛んに言われました。私もそっち(厳しい指導)へふれたんですけれども、勝てないんですよね。“厳しい厳しい”ってなると、やっぱり辞めたいっていうような気持ちが先立って。だったら、逆の方向でバレーボールを好きにさせて、練習に行きたいという気持ちにさせた方が、選手たちの力を発揮できるんじゃないかと考え方・視点を変えてみて」 スポーツは「勝つ達成感」以上に、大切なことが学べると小川さんは話します。 小川 「スポーツの楽しさというのは、教えられたことができるとか、人に勝つというレベルじゃなくて。自分を見つめて、自分の中で何かしらの考えを身につけて、なおかつ努力することによって“自分が変化する楽しさを知る”ってあたりに、スポーツの本当の楽しさがあるんだと思うんです」
■取材後記
小川さんは、「自分は昭和世代だから、自分がある意味“正しい”と信じたこと自体が、そもそも違っていることの方が多いだろうなと、勘違いするなよ」と、日ごろから心がけていることを話してくれました。私も働いていると、「こうしたらいいのに」とついつい口を挟みたくなる時もありますが、小川さんの言葉は教育現場だけでなく、いま私が働く中でも大切にしたい、相手への思いやりだと感じました。 (取材・文 佐藤梨那)