チームを強くするのに厳しさ必要? 女子バレー・石川真佑ら輩出した指導者語る“スポーツの本当の面白さ”【佐藤梨那アナ取材】
佐藤 「どうしてここまで、トレーニングを大切にされるんですか?」 小川 「小学校からバレーをやっている子たちはバレーはうまいんですけど、体ができてないっていうところの危うさ。技術が上がったり徐々に上手になって力を出せるようになってきた時に、筋力不足だとからだ壊しちゃうんですね。選手たちはとにかく一生懸命やってくれるので、そこを今度は我々の責任だと思っています」 時間をかけたトレーニングには、3年間しかない高校生活だからこそ、ケガをせずにバレーボールに打ち込み、そして卒業後も、長く競技ができる体をつくってほしいという思いがありました。
小川さんの教え子で日本代表の岩崎こよみ選手は、結婚・出産を経て35歳で初の五輪代表に選ばれました。チームの柱を担うセッターとして活躍しています。 小川 「結婚して出産をして、なおかつ選手として全日本のレギュラーでプレーしてくれているというのは、私にしてみればそうあってほしいって願っている。高校時代、“長くバレーを続けるようになってほしいな”と思いながら選手たちと一緒にバレーをやっています」
■教え方に秘けつあり「自分の価値観を押しつけない」
そしてもう一つ、小川さんが指導で大切にしていることがありました。生徒に話を聞くと、その姿勢が見えてきました。 細田学園高等学校 バレーボール部・嶋﨑紗恵子さん(2年) 「教えていただく時に、具体的な答えはなくて。結局やるのは自分たちだからっていうのを言われていて。わからない時はチームの人たちと“こうだよね”とか言い合いながら、自分たちで正解を探す。(小川さんは)そういう教え方をしていると思います」 小川 「やっぱり自分で乗り越えないと覚えない。“こうやった方がいいよ”と言うんじゃなくて、“どうする?”というのは言います。“こうしなさい”とか“こうやった方がいいですよ”と言われてやったことって、身に付かないんですよ」 「選手の主体性を殺さないように。できれば、自分の価値観をあまり押しつけない。選手たちが持っている価値観、彼女たちの考え方をやたらこちらが進入して邪魔するようなことをしない。伸びていくことの“ちょっと手助け”ぐらいができればちょうどいいかなと」