瀬戸内市の特養で入所者らを虐待 岡山県、新規受け入れ停止6カ月処分
特別養護老人ホーム「長船荘」(瀬戸内市長船町服部)で3年以上にわたり、入所者らの身体を不必要に拘束するなどの虐待が繰り返されていたとして、岡山県は16日、介護保険法に基づき、長船荘に対して新規入所者の受け入れを来年1月1日から6カ月間停止する行政処分を出した。虐待行為には全介護職員の約8割が関わっていたという。 県によると職員24人が少なくとも2020年5月以降、60~90代の入所者と利用者計8人に対し、緊急性などがないのに、シーツで体を車椅子にくくりつけたり、自分でおむつを触らないよう腹部にタオルを巻いたりしていた。さらに職員の1人は入所者が鼻に指を入れている姿を職員共用のタブレット端末で撮影し、他の職員が閲覧できる状態にしていた。虐待に関与したとされる職員の一部は退職したとしている。 23年7月に内部調査で発覚。瀬戸内市が虐待と認定し、県が監査していた。運営する岡山千鳥福祉会(岡山市南区千鳥町)の八田高志理事長は山陽新聞社の取材に「利用者や家族らに深くおわびする。監視カメラの増設や外部専門家による業務指導などの再発防止に全力で取り組む」とのコメントを出した。 これとは別に県は16日、既に問題が明らかになっている県内福祉施設に対する2件の処分を発表。元職員が入所者の預かり金2千万円以上を着服したとして津山市立養護老人ホーム「ときわ園」(同市井口)を来年1月1日から6カ月間の新規利用者の受け入れ停止、元職員が入所者に暴行したとして障害者支援施設「ぽれぽれ」(岡山県和気町小坂)を同じく3カ月間の受け入れ停止とした。