為替トレーダー、夏季の低ボラティリティーに備え-FOMC結果受け
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今年に入り歴史的な水準をおおむね下回って推移してきたブルームバーグ・ドル・スポット指数のIVは、最近数週間に5年平均に向けて上昇が見られていた。平均的には、北半球の夏季を通じて上昇する傾向を示している。
現時点でトレーダーはフランスの選挙や、米金融当局がインフレ指標として重視する個人消費支出(PCE)価格指数などのデータ発表が為替相場の大きな動きを促す可能性があるかどうか注視している。
11月5日に投開票が行われる米大統領選はボラティリティーを高める契機となる可能性があり、ゴールドマン・サックス・グループは今月27日に行われるバイデン大統領とトランプ前大統領との1回目の討論会が最初のきっかけになるかもしれないとの見方を示唆している。
フランスでは、マクロン大統領が解散・総選挙の決定に踏み切ったことで、債券市場に混乱が広がってユーロ相場を圧迫する一方、安全通貨としてドルやスイス・フランが買われた。
ゴールドマンのストラテジスト、ビッキー・チャン氏(ニューヨーク在勤)は13日のリポートで、「最初の討論会が、過去の経験が示唆するよりも早く、夏にかけて米大統領選への関心を明確化させる合理的可能性がある」と分析した。
低ボラティリティーの状態が続いた場合、キャリー取引を手掛けるトレーダーには朗報だろう。低金利通貨で資金を借り入れ、しばしば新興市場国通貨で運用するこうしたトレーダーは最近、メキシコやインドでの選挙結果のサプライズに圧迫された。
ブルー・エッジ・アドバイザーズのポートフォリオマネジャー、カルビン・ヤオ氏は、少なくとも短期的には米金融当局が為替相場のボラティリティー上昇の期待を打ち砕いたとしつつも、「嵐が過ぎ去ったのか、台風の目の中にいるのかまだ分からない」と語った。
原題:Currency Traders Readying for a ‘Vol Killer’ Summer After Fed(抜粋)