悪徳不動産会社から勧誘されることも?! 「住宅ローン不正」「なんちゃって不動産投資」のリスクや対策を解説!
投資用ローンより金利が低い住宅ローンが悪用されている
住宅ローン不正・なんちゃって不動産投資が横行する要因として一番大きいのは、住宅ローンは投資用ローンと比較して金利が低いため、実質利回りが良くなるという点が挙げられます。 不動産投資を販売する業者からしても、低金利の住宅ローンで物件を購入できれば、見かけ上の利回りは高くなるため、投資検討者にとって魅力的に映るのです。 また、住宅ローンは投資用ローンよりも融資条件が緩く、融資を受けやすい傾向があります。特に公的融資であるフラット35は、民間金融機関のローンと比べて借り入れる人の属性に関係なく審査基準が比較的緩いといわれています。 住宅ローン不正にならないケース 一方で、当初は自己居住の意図で住宅ローンを組んだものの、海外赴任や転勤が理由で、一時的に住まいを空ける間、賃貸として貸し出すケースなどは、住宅ローン不正にはなりません。 その場合は、事前に金融機関へ相談した上で貸し出すことが可能です。
住宅ローン不正がバレた時の代償は大きい
住宅ローン不正が発覚した場合、金融機関から融資金の一括返済を求められる可能性が高くなります。 さらに、一括返済が難しい場合には、任意売却や強制競売にかけられる恐れもあります。競売では、通常、市場価格よりも低い価格で物件が売却されることが多いため、借入額を超える残債が生じる場合があります。この場合、その差額をローンの借り主が負担することになります。 また、金融機関が損害を被ったと判断した場合、民事訴訟や刑事告発に発展する可能性もあります。たとえば、2024年2月には、フラット35の不正利用で金融機関の元社員が逮捕された事件や、2024年6月には不動産会社が不正な住宅ローンを利用して顧客に物件を売却し、詐欺容疑で逮捕される事件が発生しています。 さらに、金融機関は不正行為を信用情報機関に報告する可能性が高く、その結果、長期間にわたって信用情報に傷がつくことになります。これにより、住宅ローンだけでなく、他のローンやクレジットカードの取得、保険加入、銀行口座の新規開設も困難になる可能性があります。 このように、住宅ローン不正が発覚すると、金銭的な損失のみならず、個人の信用や将来の生活に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、「バレなければ大丈夫」という考え方は非常に危険で、正当な手段を用いることが最も重要です。 【関連記事】>>不動産投資の偽装がバレたときの重い結末エピソード2選!「なんちゃって住宅ローン」の手口を銀行員が解説