ミニロケット打ち上げ失敗 JAXAが会見(全文1)落下予想区域内に機体着水
当日の状況について
当日の状況について、5ページ目でご説明いたします。まず、当日の状況につきましては、1月15日の午前8時33分に実験を行ったわけなんですけれども、気象条件等については条件を満たしておりました。現場としては朝5時からこの準備に入って、必要な保安措置を取った上で実行に移ったということになります。 発射後の状況については、この点火時刻予定どおり、それ以降も順調に推移していたんですけども、発射後の20.4秒のところからテレメータのデータが途絶えたという状況になりました。また、近い時刻帯ではコマンドデコーダという装置、コマンド復調装置のアンサーバックがエラー100%ということになりまして、この状況でデータの受信状況が改善されなかったということで、この第2段点火許可コマンドの送出を断念したということになっております。第2段部分については点火しておりませんけれども、レーダーとしてはこの追跡状態、ロックオン状態を維持していたということで、その後も継続して追跡を実施して、落下予想区域内に機体が着水ということになりました。従って、衛星の軌道投入ができなかったという状況になります。 6ページ目、発射点、落下点の図になります。これは計画どおり、機体が落下予想区域の中に着水したということになっておりまして、この第1段の飛翔としては正常に行われて、頂点高度190キロということが分かっております。 7ページ目ですけれども、こちらが時刻とイベントの関係を示す表になります。シーケンス・オブ・イベントになります。これらの中で「成否」というところですけれども、うまくいったところ、いかなかったところはこの丸・バツ・三角で識別をしていまして、三角についてはタイマーで動いている部分については、おそらくこれは時刻どおりいっていたであろうところだという認識なんですけれども、その実行したことの根拠がデータ上は分からないために、ここは三角ということになっています。 この中で、54.0で先ほどご説明した姿勢コマンド受け付け開始のところはもうアンサーバックなしということで、バツが付いておりまして、そのあとですけれども、73秒以降の姿勢変更の項目ですね、これについては後ほどご説明しますが、解析の結果、姿勢変更されていないということが確認されました。それ以降、点火許可コマンドを受け付けることをしていないために、以降のバツ印というのは、結果としてこれは実行していないということでバツが付いているということになります。 あと、最後ですけれども、衛星が分離されたことの確認ができていると。これは衛星からの電波が来ているということを根拠に、この62秒、67秒の衛星分離機構の起動指令およびノーズコーン分離は確認されることになります。 【連載】ミニロケット打ち上げ失敗 JAXAが会見 全文2へ続く