佐々木勇気八段が「おやつトリプル」の新手、藤井聡太竜王は「パンダロール」…竜王戦第5局
藤井聡太竜王に佐々木勇気八段が挑戦する将棋の第37期竜王戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・野村ホールディングス)の第5局が27日、和歌山市の「和歌山城ホール」で始まり、初日午後の勝負おやつが両対局者に提供された。挑戦者の佐々木八段は「おやつトリプル」というわんぱくな「新手」を披露し、関係者の度肝を抜いた。
盤上が中盤戦を迎えるなか、佐々木八段は「パンダロール」「シューパリ」「五十五万石」と、初となるおやつ3人前の注文を敢行した。今期竜王戦七番勝負の第1局でケーキとシュークリームのダブル注文をして棋士らを驚かせた佐々木八段だったが、ついに第5局で「トリプル」の領域に踏み込んだ。
ロールケーキ、シュークリーム、和菓子に加え、実はドリンクで頼んだ抹茶に「まんじゅう」がついているため、実質的には4人前のおやつ注文となった。和歌山対局の関係者は「豪快すぎる佐々木八段の注文はありがたい限りです。店にとっても可能性が広がります」と喜んでいた。立会人の桐山清澄九段は「見ているだけでお腹いっぱいです」と穏やかな口調で語った。
藤井竜王は「パンダロール」のおやつ注文だった。和歌山といえばパンダであり、ロールケーキの注文は両対局者共通だった。対局室では長考合戦になるなど局面は難解だが、盤外では二人とも遊び心にあふれている。新聞解説を担当する井田明宏五段は「パンダロールはかわいらしいですし、おいしそう。後で味わってみたいです」と笑顔で話した。(吉田祐也)