氷見の12校、年度内復旧 被害大の宮田小にめど
●8小中は10月完了 能登半島地震で校舎周辺の地割れや陥没など大きな被害が出て教室棟が使用できなくなった氷見市宮田小が、年度内に修復が完了する見通しとなった。市内で被害のあった小中・義務教育学校12校で宮田小以外の11校は3校が復旧し、8校は10月中に修繕を終える。富山県内で甚大な被害が出た氷見では来春、全ての小中学校が復旧し、震災前の学習環境を取り戻す。 【写真】地震で基礎部分が露出している宮田小の教室棟 地震では市内全14小中・義務教育学校のうち12校が被災した。島尾の丘の上にある宮田小は正門前のコンクリートに長い亀裂が入り、校舎につながる坂道が崩壊した。教室棟は周囲で起きた地割れで基礎部分の土砂が流出し、地面と基礎部分に段差ができた。1メートル以上の段差で基礎部分が露出している部分もあり、応急危険度判定では危険判定が下された。 宮田小の児童数は134人で、特別支援の2クラスを含めて全8学級ある。現在は教室棟の安全性が確保できないとして、管理棟にある図書、理科、音楽、家庭科、図工、屋外のプレハブ小屋など8室を代用して児童は授業を受けている。トイレは屋外の仮設のみとなっている。 市によると、丘ののり面を復旧する土木工事の入札は、8月19日に指名競争で複数社の中から市内の1社が落札した。一方、校舎建築の工事は同28日に市内の業者が随意契約で決まった。 市によると、宮田小の基礎部分の工事は来年3月に完工する見通し。並行してのり面工事が進み、教室棟の安全が確保された段階で、児童は管理棟の代用教室から教室棟に移って通常の形で授業を受ける。市教委は「できる限り早く教室棟を使えるようにしたい」としている。 宮田小の金原礼子校長は「いつもと違う学習環境で子どもにかなり負担がかかっており、早く教室棟に移れるよう保護者や地域も願っている」と話した。