AIで中間管理職を半減--2025年以降にIT部門やユーザーへ影響を与えるトピックス
トピック6:2028年までに企業における情報侵害の25%は、外部の攻撃者や悪意ある内部関係者によるAIエージェントの悪用に起因するものになる。 AIエージェントは、目に見えないアタックサーフェス(攻撃対象領域)を急増させる。企業は、新たなセキュリティリスクソリューションが必要になる。企業は、悪意ある活動を行うAIエージェントを作成する人物(知識のある攻撃者や不満を持つ従業員)からビジネスを保護する必要に迫られる。 トピック7:2028年までに最高情報責任者(CIO)の40%は、AIエージェントのアクションの結果を自律的に追跡/監督/抑制する「守護エージェント」の利用を求めるようになる。 「守護エージェント」は、セキュリティ監視、可観測性、コンプライアンス保証、倫理、データフィルタリング、ログレビューなど、AIエージェントのメカニズムに関する数多くの概念に基づいて構築されている。2025年末までに、複数のエージェントを搭載したプロダクトのリリース数は、より複雑なユースケースを伴いながら着実に増えていく。短期的には、AIエージェントのセキュリティ関連の攻撃が新たな脅威領域となる。ガードレール、セキュリティフィルター、人間による監視あるいはセキュリティの可観測性をさらに実装したとしても、AIエージェントを適切に使用するには不十分となる。 トピック8:2027年までに「Fortune 500」企業は、5000億ドル分のエネルギー経費をマイクログリッドへとシフトし、それによって慢性的なエネルギーリスクとAIによる需要を緩和する。 エネルギーシステムで発電、蓄電、負荷をつなぐ独立した電力ネットワークのマイクログリッドは、特定の地域や施設のエネルギー需要を満たすために、単独あるいはメイングリッドと連携して稼働する。これにより、日常的なオペレーションに競争優位性が生まれ、将来のエネルギーリスクも軽減される。運営支出(OPEX)の一部をエネルギーに費やしているFortune 500企業は、上昇する料金を払い続ける場合よりも優れたリターンをもたらすマイクログリッドへの投資を検討すべき。 トピック9:2026年末までに組織の20%は、AIを活用して組織構造をフラット化し、現在の中間管理職の半数以上を廃止する。 AI導入で人間の中間管理職を廃止する組織は、短期的には労働コスト削減、長期的には福利厚生コストの節約という形で、そのメリットを得られる。AI導入で残った従業員のタスク、レポート作成、業績監視を自動化、スケジュール設定することで生産性向上や管理範囲の拡大が可能となり、残った管理職は戦略的で拡張性に優れ、付加価値の高い活動に集中できるようになる。しかし、雇用に不安を感じる従業員が増えたり、直属の部下の増加に管理職が過剰な負担を感じたり、AI主導のやりとりに消極的になったりするなどの課題も出てくる。 トピック10:2029年までに世界の取締役会の10%は、AIガイドを使用して、ビジネスにとって重要な経営判断に異を唱える。 AIで生み出された知見が経営幹部の意思決定に広範な影響を及ぼすようになる。取締役会のメンバーは、経営幹部の意思決定に異を唱える力を得られる。これにより、周囲が擁護できない意思決定も多々あるような「破天荒なCEO」の時代は終わりを迎える。